「デザインされた音」が果たす役割とは?

「デザインされた音」が果たす役割とは?

日常生活は「デザインされた音」であふれている

私たちの身の回りは音であふれています。聴こえているのに特に意識しないような音もあれば、思わずハッとさせられるような音もありますが、音によって「存在を感じ」たり「危険を察知し」たり「心地よさを感じ」たり「時間の経過を知らされ」たりしながら暮らしています。私たちの生活に関わっているこうした音のほとんどは、「サウンドデザイン」という視点で作られています。

さまざまなサウンドデザインの分野

映像に合わせてBGMを作ったり効果音を作ったりする仕事があることは知っているでしょう。そのほかサウンドデザインには、機器や自動車、身の回りの製品などに関する音をデザインする「ユーザーインターフェイスサウンド」という分野や、アート作品としての「サウンドアート」、自然などの風景を音で表現する「サウンドスケープ」などがあります。サウンドデザインは多くのこうした専門分野に細分化され、「サウンドデザイナー」と呼ばれる専門的な知識を持つ人が活躍しています。
例えばユーザーインターフェイスサウンドではスマートフォンの着信音や操作音、電子レンジの操作音やお知らせ音などを作ります。「音で伝えられることは何か」ということを考えてデザインされていて、買い物したときの電子決済音は「買い物をしてお金を使った」ことが意識できる音になるように工夫されています。

音は、今後ますます重要になる!

前述したように、私たちの生活には音が活用されていて、さまざまなタイミングで、いろいろな場所から、たくさんの音が鳴るようになってきました。特に、見えていないことに気づかせたり、危険を知らせたりするときに音はとても重要です。しかし、その音にびっくりしたり、不快に感じたりすると、それはデザインされているとは言えないでしょう。音への期待が高まり、音の重要性に注目されている今の時代には、危険を知らせるためだけではなく「いつ、どんな音を聴きたいのか」私たち自身が音について意識的になる必要があると考えられています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北工業大学 ライフデザイン学部 産業デザイン学科 准教授 長崎 智宏 先生

東北工業大学 ライフデザイン学部 産業デザイン学科 准教授 長崎 智宏 先生

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サウンドデザイン

メッセージ

サウンドデザインはとても幅広い分野です。映画やゲーム、映像などに使われる音を制作したり、スマフォや家電、車の操作音を考えたり、人が集まる広場やカフェを居心地良くするためにサウンドデザインを行うときもあります。ゲームの音と車の音は共通点が見出せないかもしれませんが、どちらも、目的に合わせて音をデザインする、というプロセスがあります。そして、とても重要なことは「人間」が対象であることです。人が音をどのように感じ認知するのか、考えたり試したりしながら一緒に学んでいきましょう。

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本学では「未来のエスキースを描く。」をブランドスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
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