AIと人間をつなぐ「音声」と「テキスト」、そこに広がる可能性
教育に生かす音声処理技術
AI(人工知能)は、人間の音声で動作します。音声は人間とAIをつないでおり、音声をどう認識させるか、音声データをどう扱うかといった音声データ処理技術が注目されています。そして、この技術は教育現場にも活用できます。
学校の授業では、アクティブラーニングやグループワークが行われます。ただ、教員がグループ内のやりとりを把握して評価をするのは手間がかかって難しいものです。音声データ処理技術を活用すると、簡潔に把握できるようになります。
会議やグループワークの見える化
グループ内の生徒同士のやりとりを音声データ化して分析すると、誰がどんな発言をして、どういう結果となったか一目でわかります。
いわゆる議論が深まっている状態では、誰かの発言を受けて別の人の発言が続くという連鎖が起こります。この親子関係を深い分岐図として可視化すれ、会話の状況を把握するのが容易になります。この技術は、ビジネスの会議などでも活用できるでしょう。
また、音声によって授業の客観的な評価もできます。先生の声、黒板に書く音、生徒の発言や笑い声といった授業全体の音声を収録して分析します。先生ばかりが話す、生徒が聞いていないなどを把握できて、授業の改善に役立てることができます。
音声とテキストとAI
またSNSなど、文字による発言も社会にあふれています。そうしたテキストデータの分析も活用できます。宿泊サイトの口コミや、料理レシピの傾向などから顧客ニーズをピックアップすれば、マーケティングに生かせます。教育では、筆記したレポートの自動添削も可能になるかもしれません。
現在は、優れた生成AIが登場して誰もが自由に音やテキストがつくれる時代です。どのような情報で、どんな音やテキストがつくれるか、例えばイメージした楽曲をつくるにはどんな情報が必要かといった検証も不可欠です。AIと音声、テキストとの関係は進化しており、さらなる活用の可能性が広がっているのです。
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