多種多様なアイデアに満ちた、ユーザインタフェースの未来形
新技術による多彩なインタフェース
コンピュータを操作するとき、そのユーザインタフェース(UI)は数十年もの間、マウスとディスプレイによるものが主流でした。近年では、スマートフォンやタブレット端末の普及にともない、それらを操作するタッチスクリーンも大幅に増えています。今後はさらに、多種多様なモダリティ(入出力手段)と実世界指向のインタフェースを活用した、新しい技術の台頭が期待されています。
身ぶり手ぶりや声、視線、表情でも操作
注目を集めている新たなモダリティを紹介します。人間の身ぶり手ぶりを読み取るジェスチャーインタフェースは、家庭用のゲーム機などに採用されています。話しかけることで操作できる音声インタフェースは、音声の認識と合成、自然言語処理技術の発展によって実現しました。人間の視線の移動や表情の変化をコンピュータが読み取る、視線・表情インタフェースも、近年注目されています。眼鏡型ディスプレイや行動計測センサなどでいわゆる「仮想現実」を体感できるバーチャルリアリティ(VR)は、エンターテインメントや教育関連の分野での利用価値が高まっています。
あらゆるものがインタフェースに
実世界指向のインタフェースとして注目されているのは、VRと共通の技術を活用して、現実空間に重ね合わせるようにさまざまな情報をユーザに提示する、オーグメンテッドリアリティ(AR・拡張現実)です。また、身の回りのあらゆるものにコンピュータを組み込んで連携させるユビキタスコンピューティングや、眼鏡や衣服など身に着けるものにコンピュータを組み込んだウェアラブルコンピューティング、現実世界の物体そのものをインタフェースとして活用するタンジブルユーザインタフェースなども注目されています。
こうした新しい技術を研究する際には、人間の体と脳、心理に対する理解も大切です。ユーザインタフェースの役割は、何でもコンピュータ任せにするのではなく、人間が主体的にコントロールすることこそが重要なのです。
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玉川大学 工学部 ソフトウェアサイエンス学科 教授 塩澤 秀和 先生
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