プログラミングで知っておきたい「オブジェクト指向」とは?
小学生から始まるプログラミング教育
コンピュータのプログラムは、人間がコンピュータに何かの処理を指示するための言葉(=プログラミング言語)で書かれ、さまざまな命令を組み合わせて作られていています。日本では早い段階からこのプログラミングを学ばせようという観点で、小学生から「プログラミング教育」が始まっています。
オブジェクト指向とその考え方
プログラミングにおいて、「同じことを何度も書かない」ことは重要です。同じ処理を繰り返すならば、処理は一度だけ書いて、「この処理を◯回繰り返す」と記述します。そしてこの考え方は、何かの性質をプログラム上で表現する際にも重要です。
例えばゲームで敵キャラの設定をするときに、「攻撃力・防御力・生命力」というステータスがあるなら、それはまとめて「敵キャラには攻撃力・防御力・生命力が設定できる」という共通プログラムを作ります。こうした共通項を上位の概念に設定して、その上位の概念を土台に各敵キャラ個別に能力値や個性を付け足していくのです。
共通項をまとめるメリットは、効率性です。例えばその後のアップデートで「敵キャラは武器を持てる」という要素を追加したい場合に、各キャラのプログラムを個別に書き換えるのではなく、上位概念部分の書き換えだけで済み、無駄がありません。
難しい考え方をわかりやすく伝える
プログラミングの考え方には、小学生でも理解できる簡単なものもある一方で、専門的な知識を持っていないと理解できない難しいものもあります。オブジェクト指向は、プログラミングについて専門的に学習する大学生が勉強するものと認識されていました。しかし、題材や教え方を工夫すれば、中学生や高校生にも理解させられることが明らかになってきています。
今後、プログラミング教育の研究分野が更に発展すると、現在では専門家しか理解できないと考えられている高度なプログラムを、中学生や高校生が当たり前のように理解して、記述・改良している未来があるかもしれません。
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四天王寺大学 高等教育推進センター 講師 本多 佑希 先生
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