マーケティングにAIを取り入れ、市場のニーズを把握する
製品にとって最も重要なユーザーモデル
マーケティングとは、物やサービスが売れる仕組み作りを指します。消費者に響く商品や、商品の売り出し方を考える際に欠かせないのは、顧客のニーズを知ることです。その手段として、一般的にはアンケートやインタビューといった市場調査を実施します。その上で売りたい製品にとって最も重要で象徴的なユーザーモデル(ペルソナ)をデザインする「ペルソナマーケティング」という手法があります。ペルソナは実在の人物の様に好きなものや趣味、仕事や学歴といった過去の経歴などをもつユーザー像です。このペルソナのためのサービスや製品を作り出し、効果的な広告戦略を立てていくのです。
AI技術をマーケティングに生かす
しかし市場調査には大変な時間や手間と費用がかかります。またペルソナの設定を誤り、効果が薄い戦略を立ててしまう例もあります。そこで現在、より正確でスムーズに市場のニーズを察知し、適切なペルソナを導き出すAI(人工知能)の開発が進んでいます。AIが結果を導き出すまでのアルゴリズム(計算方法)は、何度も学習を重ねていくことで実行されます。ペルソナを導き出すAI学習の方法の一つに「対話型進化計算」というものがあります。これは、AIが提示する回答に対して人間が評価を与え、その評価をもとに回答の精度を高めていくものです。評価を与える過程で人間の価値観が介入するため、より人間らしいペルソナが導き出されます。
人とAIが共存していく社会になる
市場のニーズは変動します。AIシステムが完成すれば、何度も大きな手間や費用をかけることなく、世間でどのようなサービスや商品が求められているのかがわかるようになります。今後AI技術はますます発展していくと考えられますが、すべての人間の仕事がAIに取って代わられるわけではありません。AIをうまく活用することで、時間や人手不足がネックとなっていた業務を改善することができます。そして人間は、より効率的な働き方ができるようになるのです。
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先生情報 / 大学情報
麗澤大学 経営学部 経営学科 教授 別宮 玲 先生
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