小学生は英語をどう学ぶ? これからの小学校英語教育
キーとなる「良質のインプット」
小学生はどのように英語を学ぶのでしょう? 言語の学習には、たくさんの質の良い音声をインプットすることが効果的であることがわかっています。外国語として英語を学ぶ日本の児童はどこで英語のインプットに触れることのできるのでしょう? それは教室です。教室で先生が話す英語、児童が「聞きたい!」と思う内容の英語、児童が「わかった!」と捉えることのできる英語、そんなまとまりのある英語が児童にとっての「良質のインプット」となります。
児童の「聞きたい!」「わかった!」を増やす
では、児童が「聞きたい!」と思う内容とはどんなものなのでしょう? 小学校の英語授業を見学すると、先生が、週末のエピソード、児童の知らない先生の一面、または「え?」と思うような興味深い話を簡単な英語で語り、児童の関心を引いている様子を目にすることがあります。教科書の例文ではなく実際の話に児童が興味を持ち、知らない単語が出てきても聞き続ける姿が見られます。先生は児童が理解しやすいようにジェスチャーや表情、絵や写真などを駆使して児童の「わかった!」を増やしていきます。ここでは、英語力以外に「良質のインプット」が確保される授業力も重要になります。
英語ユーザーを育てよう!
小学校で英語を教えるために指導者にはどれくらいの英語力が必要か、といった質問はよくありますが、その力にはテストなどで数値化される英語力以外のものも含まれます。英語の初学習者である児童の「わかった!」「伝えることができた!」を増やしていくためには様々な工夫を凝らした英語運用力が必要となります。どのように指導すると児童の学びにつながるのかを考えながら英語を使用する力と言えます。未来の英語ユーザーを育てるために、指導者には英語力だけではなく、児童に英語の「何」を身につけさせたいのか、そのためにどのようなことが必要なのかといった指導力も求められます。
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先生情報 / 大学情報
四天王寺大学 教育学部 教育学科 講師 小柴 和香 先生
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