獣医師の仕事について
動物のお医者さんのイメージ
以前は、獣医師といえば牛や馬といった大きな動物を診るというイメージでした。最近はペットを飼う人が増えてきたこともあって、犬や猫といった小動物を診察することが多くなりました。ペットを飼う人が増えた理由の一つは住環境が整ってきたことです。一戸建てに限らず、マンションでもペットを飼っていいところも増えてきました。もうひとつの理由は、ストレスが多い社会になり、ペットと暮らして癒やされたいと思う人が増えたためです。その結果、ペットがどんどん家族に近づいていて、お金をかけてでも治療を進めたいという希望が高まりました。ペットの寿命も長くなり、15、6才まで生きる犬も珍しくありません。そのため、今までかからなかった病気にかかってしまうことも多くなりました。腫瘍や認知症など、人と同じような病気になったり、ストレスを感じるペットもいます。例えば勝手気ままといわれている猫でも、病院に来るとごはんを食べなくなることもあり、飼い主との分離不安を訴えることもあります。鳥はとてもデリケートなので、手で持っただけで、死ぬ寸前までいってしまうこともあるくらいです。獣医師は、そのようなペットと、そして飼い主の心の両方をサポートします。
獣医師の役割
もちろん、獣医師が診察する動物の種類は多岐にわたります。牛や豚などの産業動物、エキゾチックアニマルといわれる野生動物に近い動物、野外の野生動物などもそうです。
また、動物の健康状態が、収入に直接関係してくる酪農家にとっては、獣医師の果たす役割は大きなものです。また、動物を診るだけではなく、環境衛生や食品衛生、狂犬病のことなど、多方面で仕事をしています。動物や海洋生物の身体の状態を調べると、大気の汚染など、環境について知ることもできます。獣医師は地球規模で物事を考えることのできる幅広い視野が求められると同時に、今後はさらに高度な診断や治療が求められています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報
鳥取大学 農学部 共同獣医学科 教授 竹内 崇 先生
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