動物の心と体の成長を支える「動物看護師」
実は幅広い! 動物看護師の仕事
動物看護師というと、動物病院で獣医師の補助をする人というイメージがありますが、実際の仕事はもっと広範囲に及んでいます。獣医師が行う診察、診断や治療、処方などは、動物看護師の職域ではありませんが、それ以外で動物とかかわる仕事の多くは、動物看護師が担っているのが現状です。特に、動物の心と体の健康を守るための指導や、飼い主のサポートなど、動物をよりよく育てていく上で、動物看護師の果たす役割が、近年、非常に大きくなっています。
動物の「育児」に関する知識も必要
例えば、室内で飼っている小型犬がテーブルから飛び降りて骨折してしまったとき、診断や治療、処方を行うのは獣医師の仕事ですが、リハビリが円滑に進むよう指導やアドバイスをするなど、飼い主に寄り添って動物の回復を後押しするのは動物看護師の仕事です。さらに、その犬が再びテーブルから飛び降りたりすることのないよう、生活環境をどう整備し、どのようにしつけをしていくか、飼い主と一緒に考えていくことも大事な役目なのです。
また、最近の動物行動学の研究では、動物も人間と同様に、子どものときの育ち方、育て方が、成長後の性質や行動に大きく影響するということがわかってきています。つまり、心身ともに健康な動物を育てるには、人間でいう「育児」をいかに行うかが重要なポイントなのです。そのため、しつけや栄養管理、健康管理について適切な指導ができるよう、動物看護師にも、より専門的な知識を身につけることが求められています。
飼い主と動物の生活・関係をサポート
最近の社会的な傾向を見てみると、動物はもはや単なる「ペット」ではなく、「家族の一員」あるいは「伴侶」だと考える人がますます増えています。動物との生活や関係が以前よりも緊密になっているからこそ、動物の成長を支えていく動物看護師は、飼い主にとっても動物にとっても、なくてはならない存在なのです。
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先生情報 / 大学情報
日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医保健看護学科 獣医保健看護学臨床部門 准教授 水越 美奈 先生
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