作業療法士は日常生活のプランナー
日常の諸活動をスムーズに導く
作業療法士の仕事は「作業を通して、障がい者のリハビリを手助けすること」という認識が一般的ですが、それは仕事のほんの一部です。
作業療法士は、障がい者の身体面と精神面をバランスよく見ると同時に、生まれてから亡くなるまでの生涯を通じてサポートします。朝、目が覚めてから寝るまでに行う必要最低限の身体的な機能・動作はもちろん、精神的な部分の能力の障がいもサポートし、自立生活を促すことが役目です。
例えば、身体に麻痺がある肢体不自由者の場合、「トイレができない」「ご飯が思うように食べられない」といった障がいが発生します。それに対して、どう手助けしていくか考えるのが作業療法士です。
現在、作業療法士が活躍する場は、医療、保健、福祉、教育などいろいろな分野があります。活躍の場は違っても、障がい者が置かれている状況に応じて、日常生活の諸活動をプランニングするという役目は同じです。
旅行プランから難民支援まで
最近は、作業療法士の仕事はさらに多様化してきました。「障がい者向けの旅行プランを企画する」ということもその一つです。作業療法士が旅行会社の人と協力し、障がい者の心身状態に応じて求めている旅行を企画するのです。
「健康な人と同じように美術館で絵を観たい」「テーマパークを楽しみたい」。障がいがある人がこんな思いを抱いたら、それらを実現させるためにサポートする支援者が必要です。そして、その中の一人に作業療法士がいます。
また、アメリカでは難民の支援も作業療法士の仕事の一つです。難民にとって障害になるのは文化の違いです。まず、言葉が通じないことに戸惑います。発展途上国から先進国へ来た難民であれば、生活スタイルの違いも障害になります。それらの障害を克服し、アメリカでの生活になじめるように手伝うのも、作業療法士の仕事です。
このように、作業療法士の仕事は非常に幅広いものです。
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