ネットワークの遅延とは何か?
インターネットは複数のネットワークを接続
インターネットの環境は急速に高速化しているので、「YouTube」のように高速回線が必要なビデオ映像を配信してくれるサービスも多数生まれてきました。その一方で、インターネットには解消できない「ネットワーク遅延」という問題があり、あちこちで「遅延」を起こしているのです。「遅延」とは、コンピュータが送り出したデータ(通信回線上は、パケットという小さな固まりに分割されています)が、相手のコンピュータに届くまでにかかる時間のことです。インターネット上を流れるパケットは、直接相手のコンピュータに届いているわけではありません。多くのネットワークを中継して通過していくので、ネットワークとネットワークをつないでいる「ルーター」という中継器の中で、「次はどの中継器につないだらよいか?」と処理する「ノード処理遅延」が発生しますし、ルーターの中に「処理の順番待ち行列」ができていると、ここでも遅延が起きます。さらに、すべての情報を通信回線上に送り出すための時間としての「伝送遅延」があり、物理的にルーター間を伝搬するための「伝搬遅延」も発生します。
処理遅延により遅延時間が揺らぐ
このように、インターネットはその仕組み上、遅延を完全になくすことはできません。さらに中継ルートは毎回同じ所を通る保証はない上に、ネットワーク上の混雑も刻々と変化しているので、遅延時間も常に一定ではなく、揺らぎ(変化)が生じてくるのです。中継器であるルーターの待ち行列は、混んでいる時もあれば、空いている時もあるので、あちこちのルーターが空いている時は、処理遅延も小さく非常に早く到達できますが、ルーターが混雑してくると、処理遅延が大きくなり非常に遅くなるということも発生してしまいます。そこでインターネットを使用するサービスでは、遅延があっても、大きく変化しても、あまり大きな影響を受けなくて済むような工夫をしているのです。
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