バーチャル・リアリティーから進化した仮想世界
バーチャルからミクスド・リアリティーへ
バーチャル・リアリティーは仮想的にさまざまなものを体験する手段として、アミューズメントのみでなく学術的にまた産業界や職業訓練にも非常に有効な手段として、注目されている技術です。従来のバーチャル・リアリティーが コンピュータ上で仮想的に作り上げた物体のみを扱っていたのに対し、近年では実際に存在する風景などの環境を、そのままコンピュータモデル化し、仮想空間や現実空間に融合するミクスド・リアリティー(複合現実感)というものに発展しています。ミクスド・リアリティーでは従来のバーチャル・リアリティー以上のリアルな現実体験をすることが可能になっています。ミクスド・リアリティーを実現するには、現実の世界と仮想世界をいかに正しく融合するかが重要なポイントになります。さらに、リアルに体感するためには、コンピュータ映像の生成技術も重要です。
現実世界と仮想世界の融合
現実の世界と仮想世界を正しく融合してリアルな体験を提供するためには、現実世界と仮想世界との間で3つの整合性を取ることが重要です。これら3つの整合性とは、位置や姿勢などに関する幾何学的な整合性と、陰影などを正しく生成する光学的な整合性と、時間的な整合性です。これらの整合性を正しく取るためにはコンピュータビジョンと呼ばれる技術が必要となります。整合性の取れたミクスド・リアリティーの映像は体験者に対して非常に強い臨場感を与えることができます。ミクスド・リアリティーの技術を用いて、向き合った二人の手に仮想的に刀を持たせ、臨場感あふれる対戦を体験させたり、その様子を第三者の視点から見た映像として作成することも可能です。これまでは、映画は見て楽しむものでしたが、これからは体験して楽しむ映画が実現されるようになるでしょう。
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