バーチャル・リアリティーから進化した仮想世界

バーチャル・リアリティーから進化した仮想世界

バーチャルからミクスド・リアリティーへ

バーチャル・リアリティーは仮想的にさまざまなものを体験する手段として、アミューズメントのみでなく学術的にまた産業界や職業訓練にも非常に有効な手段として、注目されている技術です。従来のバーチャル・リアリティーが コンピュータ上で仮想的に作り上げた物体のみを扱っていたのに対し、近年では実際に存在する風景などの環境を、そのままコンピュータモデル化し、仮想空間や現実空間に融合するミクスド・リアリティー(複合現実感)というものに発展しています。ミクスド・リアリティーでは従来のバーチャル・リアリティー以上のリアルな現実体験をすることが可能になっています。ミクスド・リアリティーを実現するには、現実の世界と仮想世界をいかに正しく融合するかが重要なポイントになります。さらに、リアルに体感するためには、コンピュータ映像の生成技術も重要です。

現実世界と仮想世界の融合

現実の世界と仮想世界を正しく融合してリアルな体験を提供するためには、現実世界と仮想世界との間で3つの整合性を取ることが重要です。これら3つの整合性とは、位置や姿勢などに関する幾何学的な整合性と、陰影などを正しく生成する光学的な整合性と、時間的な整合性です。これらの整合性を正しく取るためにはコンピュータビジョンと呼ばれる技術が必要となります。整合性の取れたミクスド・リアリティーの映像は体験者に対して非常に強い臨場感を与えることができます。ミクスド・リアリティーの技術を用いて、向き合った二人の手に仮想的に刀を持たせ、臨場感あふれる対戦を体験させたり、その様子を第三者の視点から見た映像として作成することも可能です。これまでは、映画は見て楽しむものでしたが、これからは体験して楽しむ映画が実現されるようになるでしょう。

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名古屋工業大学 工学部 情報工学科 メディア情報分野 教授 佐藤 淳 先生

名古屋工業大学 工学部 情報工学科 メディア情報分野 教授 佐藤 淳 先生

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情報工学科

メッセージ

学問はどんな分野でも非常におもしろいものです。どんなものでも、突き詰めて考えていくことで、どんどん楽しさが増していきますから、大学に入ったらぜひ自分の興味の芽を膨らませてください。自分のやりたいことを見つけ、真摯に取り組んでいくと、誰もがその分野で世界第一級の達人になれます。世界中でこのことはこの人しか知らない、と言われるような人になってください。もう一つは、広い視野を持って海外の異文化に積極的に接していってほしいと思います。その体験は自分の世界をきっと広げてくれることでしょう。

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名古屋工業大学は、世界のものづくりの中心地である中京地区の工学リーダーとして、技術イノベーションと産業振興を牽引するにふさわしい高度で充実した教育研究体制を整備しています。さらに国内の工科系大学のみならず、世界の工科系大学と連携することにより、工科大学の世界拠点として、異分野との融合による新たな科学技術を創成し、有為の人材を数多く世に送り出そうとする構想をもっています。