機械学習を使って凄いガラスを誰よりも先にみつけよう!
人間社会を支えるガラスという素材
ガラスという物質は紀元前から人の生活に使われており、現代でも最先端の科学技術です。例えば、インターネットを通じて遠方の人とオンラインで話せるのも、光ファイバーが実用化されたおかげです。ガラスは、原子の並びが不規則で乱れがある固体です。ガラスの構造と性質の関係を明らかにするために、長年研究が進められてきました。
機械学習を使って新しいガラスをみつける
世の中には「こういう性質を持った新しいガラスを作りたい」というニーズがあります。例えば、急に温めても割れにくいガラスがあったら、さまざまなところで役立ちます。そういうガラスを作るために、求める性質を満たす物質を探すことは、「材料探索」と呼ばれています。
材料探索のためには、ガラスの構造と性質との関係の情報が必要です。この関係を明らかにするために、ビッグデータを使った機械学習を活用する研究が始まっています。例えば、30万種のガラスのデータベースを用いて規則性を見つけ、そこから性質を予測します。そして、ガラスを作り、それを測定したデータをまた機械学習に加えるというフィードバックを行います。これを繰り返すことにより、色にじみの少ないレンズの材料となる新しいガラスを発見することができました。
境界領域研究の面白さ
この研究で開発された手法は、汎用性が高く、物質や物性を問わず、利用できるものです。従来の材料探索では、材料に対する直感や科学的な知見が必要であることに加えて、多くの場合、試行錯誤になります。機械学習を活用することで、開発コストや期間が削減できるのです。
物性研究に活用できる、他分野の成果は機械学習に限りません。他分野の何をどう活用するかのアイデアを考え、さらに他の領域の研究にも踏み込めるところに、異なる領域を融合させる境界領域研究の面白さがあります。
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先生情報 / 大学情報
滋賀大学 教育学部 初等教育コース 初等理科専攻/中等理科専攻 教授 徳田 陽明 先生
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