理論を実験で証明。世の中の仕組みを追究する学問・物理学
科学は、基礎科学と技術の両輪でできている
「科学」とひとことで言っても、大きく二つに分けられます。一つは、基礎科学。もう一つは、技術です。すなわち、テクノロジーです。物理学は基礎科学に分類されます。
基礎科学を支えるものは理論と実験です。仮説を立てて、実験を通じて実証する。新事実をこうして見つけて確立させていくわけです。いわば、「知識欲」だけで追究する学問とも言えます。
大きく二つに分けましたが、基礎科学と技術は実は切っても切り離せない関係にあります。この二つが相互に作用しあってこそ、科学の発展があるのです。理論の解明は技術の進歩で大きく前進します。また、技術の進歩は、根拠とする基礎理論によって、さらに違った進歩を遂げます。だから、両者は本来、一対のもので、生活に役立たせるということを抜きにして、今までわからなかったことをわかりたい、そんな思いと旺盛な「知識欲」のみで日々取り組まれています。理論を実験で証明し、新たな事実を見つけたい。そうした考えで研究が重ねられているのが物理学なのです。
研究者の数だけ「興味」がある
例えば、一つの実験があるとします。その実験の結果、明らかにされる事実がいくつかあったとします。その事実のとらえ方は、それぞれの研究者がどんなことに興味を抱いているかによってまったく違ってきます。研究者の数だけ興味、すなわちテーマが存在するとも言えます。量子論の分野で「大型加速器」を使う実験がさかんに行われていますが、質量の起源を調べたり、ブラックホール生成を観測しようとしたり、新しい粒子を捕まえようと考えている人たちがいます。物理学の分野で解明された理論は、世の中の仕組みを説明することができているし、将来的にすべてできるようになる可能性を秘めています。それほど幅広く奥深い学問、それが物理学なのです。
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