健康行動学とは何か?
医療費を抑えるのは病気の予防から
日本は医療費がどんどんあがっていますが、抑える方法はないのでしょうか。日本は国民皆保険という素晴らしい制度で、国民みんなが医療を受けられる国です。この制度を続けていくためには、医療費を抑えていくことが求められます。そのためにぜひとも進めなくてはならないのが病気の予防です。
タバコが健康によくないことは誰もが知っていることです。そこで、禁煙がすすめば、病気の予防、医療費を抑えることにも可能になるとして、国をあげて禁煙に取り組んで成功した国が海外にはあります。国をあげての禁煙に成功した国では、喫煙できる場所を限定したり、吸っているとカッコ悪いというイメージを徹底的作ったり、タバコの値段を上げました。こういう社会全体の働きかけで成功したのです。
どうすれば健康によいことを実行できるか?
多くの人が、健康によいとわかっていることでも、実行できなかったり継続できなかったりします。また、病気を治すために必要な薬なのに、指示通り飲めない人もいます。こうした行動を変えたり、健康に良い行動をとることができるように支援することは看護師の仕事の一つです。
禁煙や、食事制限や運動習慣など、医療保健関連の専門家の働きかけで行動を変える可能性がある人は多くいます。では、どのような働きかけが有効なのでしょうか。それを研究するのが健康行動学です。
さまざまな研究により、エビデンス(根拠・証拠)に基づいた行動を変えるための支援を行えば効果が上がる、ということがわかってきました。働きかける時に、理論的なエビデンスに基づいて説明すると効果があるのです。これまでは、勘と経験の積み重ねで説得していたことも多々あったわけですが、それぞれが勘と経験で話していたら、なかなか改善がすすみません。そこで、共通言語化して語れるものを持とうということで、行動の理論をつくりあげてきたのが健康行動学です。
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先生情報 / 大学情報
名古屋市立大学 看護学部 国際保健看護学 准教授 金子 典代 先生
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