「データ」を活用して、生活を便利に!
より便利な社会を構築するために
最近では、「ビッグデータ」がさまざまな分野で活用されるようになってきました。企業や研究機関などでは、絶え間なく入ってくるデータを分析することで、例えば、「消費者はどんな購買行動をしているのか」「人はどうしてこのような行動をするのか」などについて、行動の実態や仕組みを理解しようとしています。そうした分析から、人々の行動を予測し、より便利な社会をつくっていくことができます。
データ活用が生活を支えている
例えば、小売業界では、どんな人が・いつ・何を買っているかといったデータを収集して、こうしたデータを販売促進に活用したいと考えます。ある会社がコピー用紙などの消耗品をどんなサイクルで購入しているかを購入データから把握できれば、商品が切れそうなタイミングでメールを送付することで、買う側は買い忘れを防ぐことができ、販売側も確実に売ることができます。
また、公共サービスにおいても、自治体などが運営するコミュニティバスの路線の決定などにデータを有効に活用することで、サービスの質を向上させることが期待できます。高齢化が進んだ地域では、コミュニティバスが買い物や病院、市役所などへの高齢者の足として利用されています。路線を決定するのに、昔は地図情報だけでしたが、現在は地域の高齢者の分布データを組み合わせて、より効率的な路線を決めることができます。
セキュリティが問題に
2015年、「マイナンバー制度」が導入されました。国民一人ひとりに固有の番号がつけられる制度で、さまざまなデータを集めたり、統計的な分析をしたりする上では便利になりますが、セキュリティの問題が指摘されています。例えば、通院歴など人には知られたくない情報もあります。通院歴から、その人の病気を推定されることにもつながりかねません。
データを活用することで社会を便利にしていくことはできますが、個人のプライバシーを守り、情報の漏えいなどを防ぐセキュリティとデータ活用の利便性の問題には最大限の注意が必要なのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢工業大学 情報デザイン学部 環境デザイン創成学科 ※2025年4月開設 教授 武市 祥司 先生
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