ロボカップに挑戦することでロボットの技術の発展をめざす!
自律型ロボットでサッカーを
ロボットの中でも、自分で考え判断して動くロボットは「自律型」と呼ばれます。この自律型ロボットの中でも、人間に近い形をしたヒューマノイドロボットを、サッカー競技を通じて世界的に研究・開発しようとするのが「ロボカップ」です。2010年および2012年、我々を含む産学連携チームCIT Brainsは世界No.1になりました。サッカーですから、ボールの位置を把握し、パスやドリブルをしてゴールに向かってシュートする動きが必要となります。そのためには、頭に設置したカメラから周囲の画像を取得して、リアルタイムで画像処理をしながら、ポールやゴールを発見していきます。さらに、ボールを追いかけながら、ほかのプレーヤーとぶつからないようにするための計算や、倒れたら起き上がるような処理など、サッカーを人の手を借りずに行う処理すべてを搭載していきます。メカニズムに関しても、一から設計することが必要で、規格内のサイズに多くのモータやセンサ、情報処理系を収めます。さまざまな課題をクリアして初めてサッカーができるロボットができるのです。
人工知能の開発
自律型ロボットが自分で判断して行動するために必要なのが、人工知能(AI)です。現在は「If-Then」で表されるルールベースのものですが、今後ナレッジ(知識)ベースに移行させていきます。試合をしながら、経験を積んで賢くなる「学習」も徐々に取り入れつつあります。今後ますます研究が進んでいくことが期待される分野の一つです。
技術を共有しながら全体のレベルアップ
ロボカップのサッカーの試合に勝利できるのは、総合的に技術が優れている証拠です。ロボカップでは、競技と同時にカンファレンス(交流会議)が開かれ、技術の共有がなされます。そこからまた次の大会に向けて競争が始まるのです。そしてより進んだ技術を開発したチーム、優れた作戦を立てられたチームが優勝することになります。そうやってロボット技術全体のレベルを上げていくことも、ロボカップの目的なのです。
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先生情報 / 大学情報
千葉工業大学 先進工学部 未来ロボティクス学科 教授 林原 靖男 先生
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