投資におけるリスクはゼロにならない!?
投資におけるリスクをモデル化して分析
リスクとは一般的に起きてほしくないことで、投資においてもできるだけリスクを回避するために、主に確率の考え方を使った数理的手法が研究されています。
例えば株。株価というのは上下しながら変動していくものですが、株価が下がることによって資産価値が減少するリスクが考えられます。1カ月前、1週間前、前日、とどれくらい株価が上下しているかを見ながら、全体的な変化の構造を見極めていき、「株価変動」のモデルを作ります。将来の株価には不確実性があり数式モデルによって正確に値をとらえることは難しいですが、近似する形で推測することはできます。
また株価には業種業界の傾向も影響するのでモデルに盛り込んでいく必要があります。いろいろな業界の株を買う「分散投資」などは代表的なリスク低減策の一つです。
サブプライム問題の商品自体は悪くなかった!?
2008年のリーマンショックは、サブプライムローンの破綻が原因だと聞いたことがあるでしょう。このサブプライムローンと関係する金融商品が、「債務担保証券(CDO)」と呼ばれるものです。社債やローンなどを集めたものを担保資産とし、発行体(債券の発行元)が「エクイティ債」「メザニン債」「シニア債」とランク別の債券として売り出して投資家を募るのですが、順にハイリスクハイリターン、ミドルリスクミドルリターン、ローリスクローリターンとなります。もし損失が出ても、ロスが大きくない場合は、メザニンやシニアは負担する義務はありません。逆に利益が出た場合は、シニアの方から優先して支払われますが、メザニンやエクイティの方が大きな利益を得るという仕組みです。非常に合理的な商品ですが、サブプライムローンは担保資産のローン内容が悪かったために問題が起きてしまったというわけです。
リスクを知って自己責任で
どんな優れたモデルでもリスクをゼロにすることはできません。モデルでのシミュレーションはもちろん、さまざまな情報収集をして「自己責任」で投資をすることが必要です。
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先生情報 / 大学情報
千葉工業大学 未来変革科学部 デジタル変革科学科 教授 安藤 雅和 先生
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