車いすもらくらく介助! これまでにない人間共存型ロボットの開発

車いすユーザーを助けるロボット
人間の生活空間で人と共存できる、これまでにないようなロボットの開発が取り組まれています。
一つは、車いすを介助するロボットです。車いすは歩行困難者にとって有効な移動手段ですが、ちょっとした段差でも障害となってしまうため、現状では介助者が必要です。そこで、車いすの段差移動を介助するロボットが世界で初めて開発されました。人による介助と同じように、後ろに転倒しないよう力を調節しながら車いすの前輪を持ち上げて段差に乗せた後、後輪を段差の上に押し上げることが可能です。介助ロボットのアームの関節には、力の作用反作用をうまくコントロールする「受動制御」という方法が用いられており、うまくバランスを取りながら車いすを動かすことができます。
ロボットを助けるロボット
ロボットの移動能力は年々向上していますが、スタックや転倒など、移動不能になる可能性をゼロにはできません。特に危険が伴い、人が行動しにくい領域では、人間が移動不能ロボットを復帰させづらいため、その状態で放置されてほかのロボットの行動を妨げてしまいます。そのため、転倒したロボットの起立支援を行う技術について研究が進められています。この技術は転倒したロボットを引き起こす際にバランスを崩して一緒に転倒しないように、さまざまな点が考慮されています。
人の手の動きをどう再現するか
人間の生活空間で共存するロボットに必要とされるものが、いろいろな作業ができる「手」です。人間の手は自由度が高く複雑な動きが可能ですが、人間のような指や関節を持つロボットハンドを作るのは容易ではありません。一方人間の手の動きを分析すると、「のせる」「つかむ」「つまむ」「かき出す」のように面と点の力の作用に単純化できます。そこで人の手の形にとらわれず、面を組み合わせて折り畳んだり開いたりすることで、これらの動きを模倣するロボットハンドの開発が進められています。
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