スポーツトレーナーなどに生かせる「柔道整復師」の資格
トレーナーは「分業」の時代
スポーツトレーナーには、トレーニング指導、コンディションの維持管理、精神面のケア、栄養面のサポートなどの仕事があり、多くの場合、それぞれ専門のトレーナーが分業で行っています。この中で柔道整復師の国家資格が生かせるのは、ケガの手当てを含むコンディション維持管理のトレーナーです。特に、オリンピックやワールドカップ、国民体育大会(国体)の代表などに帯同するアスレティックトレーナーには、骨折や脱臼に対する施術が行える柔道整復師の資格が大いに有効となります。スポーツトレーナーは表舞台に出ることのない裏方ですが、選手やチームの基礎の部分を支える重要な仕事なのです。
さまざまな競技特性を知る
スポーツには、それぞれの競技特性があります。重量挙げや投てき種目といった瞬発力の必要な競技、マラソンなどの持久力が必要な競技のほか、サッカーにはサッカーの、野球には野球の競技特性があります。それによって、トレーニング方法やテーピングの方法、水分の取り方など、一つひとつが違います。また、ウインタースポーツに代表されるシーズン競技、季節に関係のないフルシーズン競技という分け方もあります。応用柔道整復学では、こういったさまざまなスポーツがもつ競技特性と、それぞれへのアプローチの仕方を学ぶため、今までやったことのないスポーツの知識も身につけることができます。
仕事の選択肢が広がる柔道整復師
柔道整復師の進路で、実際に一番多いのは接骨院の開業です。しかし、2000年からの10年ほどで接骨院は約3倍に増えています。今後はそれ以外の選択肢を考える人も増えていくでしょう。例えばスポーツクラブのトレーナーのほか、体育館やスポーツジムの指導員、自治体の健康福祉課への就職、企業に勤める人たちに健康指導をする健康管理士のような仕事などが考えられます。今後も柔道整復師の仕事は、どんどん選択肢が広がっていくでしょう。
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先生情報 / 大学情報
明治国際医療大学 保健医療学部 柔道整復学科 教授 長尾 淳彦 先生
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柔道整復学先生への質問
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