ダイヤモンドが身近に!? ここまできている人工技術

ダイヤモンドが身近に!? ここまできている人工技術

ダイヤモンドを人の手で作る夢

宝石の王者といえばダイヤモンドでしょう。天然のダイヤモンドは長い年月をかけて、地球の奥深い高温高圧の環境下で形成されたものです。20世紀の終わり頃、その環境を人為的に作り出すことにより、人工ダイヤモンドの製造が実現しました。ダイヤモンドと同じ組成の炭素(グラファイト)に、1000度以上の高温下で5万気圧以上の高圧力をかけると、ダイヤモンドが合成されるのです。これまでにさまざまな合成法が発見されていますが、この方法ではダイヤモンドの単結晶を作ることができます。

工業用途から人工化が始まった

人工ダイヤモンドは、まずは工業用途をめざして開発されました。なぜなら、ダイヤモンドは貴重な宝石であると同時に、硬度や熱伝導性、光学特性、絶縁性などにすぐれた、極めて高機能なほかに類のない物質なのです。ダイヤモンドを構成する炭素原子間が「共有結合」という強固な結びつきで結合することがこの機能を生み出しています。ダイヤモンドは、超精密機械の加工やトンネルの掘削をはじめ、半導体素子の接合など現代社会に不可欠な物質ですが、天然のものは工業用途には高価であり、人工生産が待たれていたのです。一昔前は小さな人工ダイヤモンドしか作れませんでしたが、現在では宝飾品を超える透明度を持つ大きなダイヤモンドを作る技術が開発されています。

夢の物質を身近に

このように、我々はダイヤモンドの高機能の恩恵にあずかっていますが、本来の「ダイヤモンド」は「炭素」の高圧高温の状態での姿で、それが常温常圧で保たれています。もっと高温高圧ではどんな機能を持っているのでしょうか。アッと驚く夢の物質が生み出されるかもしれません。物質の持つ特性をくわしく研究し、さらに圧力や温度などの条件の試行錯誤を重ねて、新しい高機能な物質を作り出す技術は日進月歩です。ダイヤモンドを例にあげましたが、ダイヤモンドに限らず、夢の物質が身近になる日も、そう遠くないかもしれません。

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先生情報 / 大学情報

大阪大学 基礎工学部 電子物理科学科 物性物理科学コース 教授 清水 克哉 先生

大阪大学 基礎工学部 電子物理科学科 物性物理科学コース 教授 清水 克哉 先生

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物性物理学

メッセージ

物性物理学は大学でなければ学ぶのが難しい学問です。物質を広い視野から見つめ、その性質を物理学の手法で深く掘り下げていくことにより、未来に役立つ新しい物質や性質を生み出していくのが、物性物理学の目的の一つです。未知の現象の探究には、高校では物理と切り離されがちな化学、生物、地学などすべての分野が関わっています。自然科学は分野が違っても、根幹に流れる考え方は共通です。高校生のうちからそのことに気づき、各分野を横断的に見る習慣を身につけてほしいと思います。

先生への質問

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自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。