新しい生活スタイルを作りだすデザインの力
デザインで売り上げが変わる
現代の日本では「ものをデザインする」と言っても特別なことではありません。あなたの身のまわりにも、ペン、コップ、インテリアなど、すてきなデザインのものがあふれているでしょう。しかし日本人が「デザイン」という言葉を知ったのは、1950年代に入ってからです。そのきっかけとなったのは、アメリカのレイモンド・ローウィの存在です。ローウィは、20世紀最高のデザイナーと言われた人物で、口紅、飛行機、機関車、駅など、さまざまなものをデザインしました。日本でもおなじみの、お菓子のナビスコ、不二家、タバコのピースなどのロゴを手がけています。ローウィは「品質が同じなら、見栄えのよい方がほかの製品の販売を上回る」と主張し、実際に高いデザイン力でそれを証明したのです。
世界的なヒット商品はデザインもすぐれている
「デザイン」に必要なことは、「新しい生活スタイルを提案する」ということです。例えば、世界的に大ヒットしたSONYの「ウォークマン」ですが、これは外で歩きながら音楽を聴く、という習慣を生み出しました。また、海外でも人気の高い任天堂の「Wii」は、家の中でスポーツ感覚で身体を動かす、というような夢の世界を実現しました。どちらも機能的、デザイン的にもすぐれた商品です。つまり新しい生活スタイルを美しいデザインで仕上げたものと言えるでしょう。これが世界中の人たちの心をとらえたのです。
これからのデザインについて
また、最近注目されているのが「環境デザイン」です。個々のものから、周辺の環境に配慮したデザインへと発展したのです。美しさはもちろん、使う人の心理、人類学的な視点、建築物と景観とのバランス、都市計画など、総合的な関係を研究します。それをデザインに生かし、生活の質を向上させる、それが環境デザインです。デザインについての認識は遅かった日本人ですが、これからはより多くの、世界に通用するデザイナーの誕生が期待されています。
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