恋愛を心理学で客観視してみると

恋愛を心理学で客観視してみると

告白は遊園地で

人間は、身体がドキドキしている(興奮)状態のときに、身近にいる人を好きになってしまうことがあります。例えばジェットコースターに異性の友だちと2人で乗ったとします。このとき、身体はジェットコースターによってドキドキしているのに、その人の意識は隣の彼(彼女)に向かっているので、「この人が好きだからドキドキしている」と脳が勘違いしてしまうのです。そういう状態のときに彼(彼女)から告白されると、OKする可能性が高いというわけです。

この胸の鼓動は……恋、ではない!?

これを実証したのがカナダで行われた「吊り橋実験」です。高い吊り橋を渡ってきた男性に女性が声をかけ、「心理テストを行っているので興味があれば電話して」と電話番号を教えます。同じ実験を固定橋でも行ったのですが、結果は、吊り橋の男性の方が電話をしてくる割合が圧倒的に高かったのです。これは、吊り橋を渡ったときのドキドキ感を、「この女性に好意を感じている」と思い込んだためと考えられています。

親密な関係が自信をもたらす

いまの大学生は昔に比べて自分に対する評価が低い傾向にありますが、恋愛中の大学生に行ったアンケートでは、長く続いているカップルほど「恋人は自分のことを評価してくれている」と自信を持っていることがわかりました。例えば「他人から見て、自分はハンサムではない」と答えた人でも、「彼女は自分のことをハンサムだと思っている」と考えているのです。つまり親密な関係の中では自分への評価は高いのに、そうではない関係の中では評価が低いということで、自分に対する自信が相手によって変化しているのです。
言いかえると、これは親密な関係を築くことのプラスの面だと言えます。恋愛に限らず、友だち、親子などの間でより良い関係が増えていくほど、自分に自信が持てるということになるのです。

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先生情報 / 大学情報

帝塚山大学 心理学部 心理学科 教授 谷口 淳一 先生

帝塚山大学 心理学部 心理学科 教授 谷口 淳一 先生

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心理学、社会心理学

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メッセージ

大学生活は華やかなものだと思っている高校生は多いでしょう。しかし大学で学問を修めることは、実は地道で結構大変な作業なのです。自分の興味のあることであれば、なんでも研究の対象にできます。ただし「私はこう思う」だけでは学問になりません。仮説を立てて本や論文を調べたり、調査や実験を重ねて、データをたくさん集めて実証したりする必要があります。そこが学問と趣味との違いです。コツコツとした努力が4年後に成果として現れるのです。あなたも大学生活でそういう力をつけて、将来に花を咲かせてください。

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帝塚山大学は6学部7学科を設置し、2つの学びの環境があります。
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