デジタルの力で社会をもっと豊かにするには
新たなプロダクトやサービスの普及を進めるには
例えば、2015年に導入された「マイナンバーカード」は、国民一人ひとりに番号が割り当てられる仕組みです。身分証明書としての機能だけでなく、民間や行政のオンライン手続きなど、幅広いサービスへの利用が期待できます。そんなマイナンバーカードの普及を進めるにはどうしたらよいのでしょうか。
子育て中の女性に向けて、マイナンバーを用いて行政手続きを簡単に行えるようにできることを目的とした意識調査を行ったところ、児童手当などを通じて行政サービスが比較的身近なものとなる彼女たちからは、意外な回答が示されました。マイナンバーを用いた制度そのものに拒否反応を示す人が、予想を大きく上回り、十数パーセントもいたのです。
スマホアプリはよくても?
子育て中の女性というと、ネット通販やスマホアプリなど、日々の生活のなかにデジタルを抵抗なく取り入れている層だと考えられます。なぜ、スマホアプリはよくて、マイナンバーカードはだめなのでしょうか? その背景には、「個人情報が流出するのが心配」という不安や、システムそのもののわかりにくさや使いにくさ、普及によるメリットが正しく伝わっていない、といった現状が推察されます。
デジタルで世の中をもっと便利に
一方で、デジタルの仕組みは、使ってみないと便利さが伝わりにくいという側面もあります。使ってもらうためには、十分なセキュリティが施され、かつ利用者が使いやすいシステムを作ることや、使うことによるメリットを正しく伝えていくことが必要です。さらに、行政の仕組みそのものにも踏み込む必要があるでしょう。デジタル技術を用いることで、生まれた子どもを育てている人に自動的に支給されるべきなのです。デジタルを通じてより豊かな社会を実現するチャンスは、まだまだたくさんあるといえます。
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麗澤大学 経営学部 経営学科 教授 吉田 健一郎 先生
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