人の心を「揺さぶり」「突き動かす」広告を作ろう
何を考えてデザインする!? 広告の広告たる由縁
街には多くの広告があふれています。街中でふと目にした広告が、無性に忘れられなくなるという経験をしたことはないでしょうか。その瞬間に、広告の作り手の勝利が決まります。企業は商品を売るために広告を作ります。しかし、広告表現にはいわゆるマーケティングでは割り切れない何かが潜んでいるのです。もちろん「こう表現すれば必ず売れる!」という黄金律などありません。「このポスターで何を伝えたいのか」「何を考えてそのデザインにするのか」とひたすら自問しながら活動していくのが広告作りです。
広告から生まれるコミュニケーション
広告には話題性を生み出す要素が不可欠です。そう考えると、売れるか、売れないかということよりも、その広告によってコミュニケーションやコミュニティが喚起されたり、生まれたりするのか、ということが重要になります。例えば、タレント2人がガスマスクを手に花畑に立っている、テレビ番組のポスターがありました。番組の説明になるのか、視聴率に直結するのかどうかはさておき、「何だろう、この違和感は」と、何らかの気持ちを受け手に与えることは確かです。これこそが広告の第一歩です。「何だろう、このポスター」と、人々の話題になれば、そこにコミュニケーションが生まれます。広告はある意味、人と人とをつなぐコミュニケーションツールだと言えるかもしれません。別の言い方をすれば、広告を成り立たせているのは、まぎれもなく一つの社会なのです。
自分の日常をもう一度見つめ直してみよう
映画を観て感動したとしましょう。あなたはなぜ、その映画に感動したのでしょうか。映画のどこを観て泣けると思ったのでしょうか。また、それはなぜでしょうか。日々の暮らしでの、この「なぜ」「なぜ」の連続の中にこそ、広告表現作りのヒントが隠されているのです。人が感動するとはどういうことなのか、心に響くとはどういうことなのか、たった一枚のポスターも、たくさんの「なぜ」を乗り越えて出来上がったものなのです。
参考資料
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