講義No.05608 歯学

歯科インプラントは家と同じく、土台づくりが大切

歯科インプラントは家と同じく、土台づくりが大切

インプラント治療を知っていますか?

今や歯科治療において「インプラント」は、かなり知られるようになってきました。インプラントとは簡単に言えば、失った歯を回復するために骨を削って、インプラント(人工歯根)を埋め込み、それに人工の歯をつける治療法です。インプラントの素材はチタンやチタン合金が主流で、ブリッジや取り外し式の義歯(入れ歯)に比べ、違和感や異物感が少なく機能性に優れていることから、ここ10年ほどで広く普及してきました。

超音波で骨をくっつける?

インプラント治療において重要なポイントのひとつは、埋め込んだインプラントと骨の結合です。しっかりと結合するまでには通常3カ月から半年程度の期間を要しますが、結合までの時間をいかに短くできるかが研究されています。骨とインプラントの結合期間短縮には、これまでパルス電磁波や微弱な電流が使われていました。しかし電磁波などで結合を促すには1日6~8時間ほどかかり、これを縮めたいと実験を繰り返した結果、超音波を使うことで1日15~20分で骨とインプラントの結合期間を1.5~3カ月に短縮する方法にたどり着いたのです。
もうひとつ、インプラント治療で大切なのが「土台づくり」です。歯というのは、目に見えている「冠」の部分と、歯茎やその下の骨にある「根」の部分があり、いくら冠をきれいに丈夫につくっても根、つまり土台がしっかりしていなければうまくいきません。家づくりと一緒で、まずは土台をしっかりとつくることが大事なのです。

究極の目標は自分の歯の再生

インプラントの研究で最終的にめざしているところは、自分自身の歯を再生させて本来の場所に埋め込むことや生やすことでしょう。どれだけすばらしい人工物を作ったところで自分本来の体には勝てないでしょう。ただし、オリンピックに義足選手が出場したように、進化したインプラントは本来の歯より噛むことができたり、歯槽膿漏になりづらいといったように進化する可能性もあります。これからのインプラント研究の発展が期待されているのです。

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先生情報 / 大学情報

北海道医療大学 歯学部 歯学科 教授 越智 守生 先生

北海道医療大学 歯学部 歯学科 教授 越智 守生 先生

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歯科学

メッセージ

歯科医はとてもやりがいのある仕事です。昔は虫歯を治すことが主な仕事でしたが、今はいろいろな可能性がある分野です。例えば高齢者に対しては失った歯にただ入れ歯をつくるのではなく、食事ができる喜びを与えて生きがいのある生活をしていく手助けをしたり、先の東日本大震災では被災者への歯科治療に力を尽くしたりと、多くの人々の人生に役立つ仕事です。お口や歯を通して全身の健康を考えるのが歯科医の役目でもあります。ぜひ真剣にめざしてみてください。

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北海道医療大学は、薬学・歯学・看護学・臨床福祉学・臨床心理学・理学療法学・作業療法学・言語聴覚療法学・臨床検査学の6学部9学科を擁する、医療系総合大学です。9つの学科と歯学部附属歯科衛生士専門学校が密接にかかわり合い、「チーム医療」に最適な教育環境を提供しています。当別と札幌あいの里、2つのキャンパスには約3,500名が集い、学生の約3割は道外出身です。2万人を超える卒業生が、医療の担い手として全国各地で活躍中。本学に寄せられる求人は年間約30,000人にも及び、高い就職率を誇っています。