なぜ消費税を上げなければならないのか?
上げても上げなくても「怖さ」がある!?
日本では消費税を上げることに賛否両論があります。そして、消費税率を上げることと上げないことにはそれぞれの怖さがあります。上げる場合は、物価が上がり、生活が苦しくなるという「目に見える怖さ」、これは個人がそれぞれ生活の中で体験するものです。一方、上げない場合は「目に見えない怖さ」があります。つまり、税収をしっかり確保しないと、ある日、国が財政破たんしてしまうかもしれないのです。日本は2013年、GDP(1年間に企業や個人が日本国内で稼ぐお金の総額)が500兆円になる見通しなのに対して、その2倍の1000兆円もの借金を抱えているという財政的に非常に不健全な状態にあるためです。
税収があるから国債を発行できる
国は、「国債」を発行して、それを買ってもらうことで借金をします。日本は年間新たに50兆円分の国債を発行しています。毎年、新たにそれだけ巨額の借金をしているのです。一般に借金をするときには、お金を返せなかったときに代わりとなる担保が必要ですが、国が借金をする際の担保は何でしょうか。それは税金です。つまり、国には税収があり、それで必ずお金を返してくれるという信用があるために国債を買ってもらえるのです。もしその信用がなくなって国債を買ってもらえなくなれば、国債の価格は暴落し、国は破たんするでしょう。
しっかりとした目標設定を
そうした意味でも国は税収をしっかりと確保する必要があります。ただそのときに重要なのは、税金が何のために使われるのか、どう役に立つのかといった目標をはっきりと示すことです。その目標によって、誰がどのくらい税金を払うべきなのかが見えてきます。その上で、消費税にするのがいいのか法人税にするのがいいのか、という手段を決めるべきなのです。日本は目標設定をいつもあいまいにし、手段だけが先に決められてしまうために、時折、最悪な選択をしてしまうのです。大切な税金だからこそ、国民は関心を持つ必要があるのです。
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