経済や災害の問題を解決する「マクロ経済学」
経済活動を最適化する「マクロ経済学」
「マクロ経済学」は、政府や企業はもちろん、一般家庭も含めた、経済社会全体の動きを研究する学問です。経済はしばしばその潜在能力を発揮できないことがあります。経済の潜在能力は生産設備や労働、技術といった要素の量で決まりますが、設備があるのに動いていない、労働者がいるのに働いていない、技術があるのに活用できていないといった非効率がしばしば生じます。そのような非効率の原因を追及し、解決方法を探ることで、経済がうまく回るようになり、最大のパフォーマンスを引き出すことができます。
分析でわかった災害時の消費動向
2016年、熊本県は大地震に見舞われて大きな被害をうけました。このときの消費動向で、被災地ではホットケーキミックスやコーヒー豆の需要が急速に伸びたことがわかりました。熊本地震の場合、大変な被害に遭った人ももちろんいましたが、全員が避難所生活をしていたわけではありません。従来は「災害時には耐久財が売れる」「調理しなくてもいい食材が売れる」ことが常識でした。しかし、実際のデータを見れば、その常識が当てはまらない部分もあったということです。
また、コロナ禍では、鮮魚や家具などの売れ行きが伸びました。「ステイホーム」によって、家の中にいて家族で料理を楽しみ、家具を新調して室内空間を快適にしようとする動向があったのです。
経済学が社会の困り事や災害対策の問題を解決する
経済学には、数理モデルを用いて経済の動きを分析する「理論経済学」と、データを使って状況を把握する「計量経済学」があります。経済学では、その2つを車の両輪のように使って、経済の全体像を見ます。その研究が進めば、会社の困りごとを素早く解決できるようになります。また災害時には、支援物資のミスマッチを防ぎ、早期復興を後押しすることも可能になるのです。
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先生情報 / 大学情報
熊本学園大学 経済学部 経済学科 教授 小葉 武史 先生
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先生への質問
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