講義No.11778 経済学

経済や災害の問題を解決する「マクロ経済学」

経済や災害の問題を解決する「マクロ経済学」

経済活動を最適化する「マクロ経済学」

「マクロ経済学」は、政府や企業はもちろん、一般家庭も含めた、経済社会全体の動きを研究する学問です。経済はしばしばその潜在能力を発揮できないことがあります。経済の潜在能力は生産設備や労働、技術といった要素の量で決まりますが、設備があるのに動いていない、労働者がいるのに働いていない、技術があるのに活用できていないといった非効率がしばしば生じます。そのような非効率の原因を追及し、解決方法を探ることで、経済がうまく回るようになり、最大のパフォーマンスを引き出すことができます。

分析でわかった災害時の消費動向

2016年、熊本県は大地震に見舞われて大きな被害をうけました。このときの消費動向で、被災地ではホットケーキミックスやコーヒー豆の需要が急速に伸びたことがわかりました。熊本地震の場合、大変な被害に遭った人ももちろんいましたが、全員が避難所生活をしていたわけではありません。従来は「災害時には耐久財が売れる」「調理しなくてもいい食材が売れる」ことが常識でした。しかし、実際のデータを見れば、その常識が当てはまらない部分もあったということです。
また、コロナ禍では、鮮魚や家具などの売れ行きが伸びました。「ステイホーム」によって、家の中にいて家族で料理を楽しみ、家具を新調して室内空間を快適にしようとする動向があったのです。

経済学が社会の困り事や災害対策の問題を解決する

経済学には、数理モデルを用いて経済の動きを分析する「理論経済学」と、データを使って状況を把握する「計量経済学」があります。経済学では、その2つを車の両輪のように使って、経済の全体像を見ます。その研究が進めば、会社の困りごとを素早く解決できるようになります。また災害時には、支援物資のミスマッチを防ぎ、早期復興を後押しすることも可能になるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

熊本学園大学 経済学部 経済学科 教授 小葉 武史 先生

熊本学園大学 経済学部 経済学科 教授 小葉 武史 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

マクロ経済学

先生が目指すSDGs

メッセージ

「経済学」は、経済の動向がなぜそうなったのかという原因を、データから解明することができる学問です。また経済学は、国の豊かさを分析する学問であると同時に、人間行動を分析する学問でもあります。「どうして人間はこのような行動をするのだろう」と、身近なさまざまなテーマについて考えられることが経済学の面白いところです。
それには広い視野と、幅広い着眼点が求められます。柔軟な思考性を育むためにも、高校時代には興味を持ったことに何でもチャレンジしてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

熊本学園大学に関心を持ったあなたは

熊本学園大学は、創立80年超の伝統、9万8千人超の卒業生を輩出し、4学部11学科、大学院5研究科を擁する文系総合大学です。商・経済・外国語・社会福祉の専門分野教育はもちろん、学修・就職支援や、特待生、奨学金、留学制度などで学生生活をサポートしています。皆さんの夢をカタチにするため、幅広い「教養」と高度な「専門」知識の修得を柱に、多様な人々と協力しながら地域や世界の課題に取り組むことができる人材を育成することに努めています。