講義No.06314 看護学

病棟看護師の一日から学ぶ! 看護師に求められるもの

病棟看護師の一日から学ぶ! 看護師に求められるもの

看護師は対象となる人の生活を支える専門職者

看護師というと、病院で血圧を測ったり採血している姿をイメージしますが、仕事はそれだけではありません。看護師は対象となる人の、その人らしい生活を支える専門職です。時として誰かの心にまで触れることができる仕事だからこそ、感動もあり、日々自己成長できる仕事です。「看護師さんに足湯につけてもらって足が軽くなったからリハビリを頑張る。」といった患者さんの声、「体重を減らすことは難しいけど、看護師さんにコツを教えてもらったから家でもできる自信がついた。」といった患者さんの声などを聞くと、看護師は患者さんの生活を支える大切な仕事をしていることがわかります。

患者さんをよく知ることが大切

病棟看護師の一日は、患者さんのことを知ることから始まります。カルテや看護記録、チーム間の申し送りで、これまでの患者さんの身体や心、入院生活の様子がどうであったのか、今日の患者さんの一日のスケジュールは何か、など、患者さんに適切な看護を提供するためには、まず患者さんのことを正しく知ることが大切なのです。そして、記録や申し送りのみの情報で患者さんを“知ったふう”になってはいけません。自分の目で観て、耳で聴いて、患者さんに触れて、患者さんに起こっていることを判断した上で患者さんに必要な看護を実践します。

看護師に必要な姿勢や能力

患者さんが辛そうにしていたら、「よく眠れていますか?」、「どこか調子が悪いですか?」、「 心配されていることがありますか?」と声をかけたり、熱や血圧を測ってみたり、患者さんの身体や心に何が起こっているのか、それがなぜ起こっているのかを判断します。そのために、看護師に必要な能力として、“観察力”や“洞察力”、“コミュニケーション力”などが求められます。そして、実際に患者さんに起きていることを分析し、適切な看護ケアを実践していくためには、高度な専門的知識やスキルが必要とされます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

鳥取大学 医学部 保健学科 看護学専攻 教授 谷村 千華 先生

鳥取大学 医学部 保健学科 看護学専攻 教授 谷村 千華 先生

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看護学

メッセージ

看護学に関心のあるあなたに伝えたいことがあります。
まずなりたい看護師像を明確にしてください。目標を設定すると、夢に向かって努力を惜しまない人に成長できます。二番目に、人から教えてもらう受け身の姿勢では学問は学んでいけません。積極的に学ぶ姿勢を持ってください。最後に、看護の対象となる「人」に関心を注いでほしいと思います。患者さんの身体や心をいちばんよく知っているのは医師や看護師ではなく、患者さん自身です。患者さんのことをよく観て、聴いて患者さんをよく知っていくことが最善の看護につながっていきます。

先生への質問

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鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目指しています。