講義No.06340 社会学

痩せたいけど痩せられない~知識と行動のギャップを埋めるには~

痩せたいけど痩せられない~知識と行動のギャップを埋めるには~

わかっていてもできないジレンマ

「痩せたいけれど、痩せられない」という人がいます。食べる量を減らして、運動すればよいとアドバイスしても、「そんなことは、わかっている」と言いますが、できません。つまり答えを知っていてもやらないのです。私たちの周辺には、知っていることと実際の行動のギャップがたくさんあります。
例えば、「戦争はしないほうがいい」、でも地球上では、いつもどこかで戦争が起こっています。「教室を出るときは、電気を消したほうがいい、でもいつもつけっぱなしです。それはなぜかと考えたり、どうしたらこのギャップを解決できるだろうと考えたりするところに、学問が生じます。

現場へ行ってみよう!

アメリカの哲学者であり教育学者でもあった、ジョン・デューイ(1859-1952)は「Learning by doing(行いながら学ぶ)」ことが問題解決には重要だと考えました。現場へ行って問題にかかわろうというのです。
アフリカの飢餓問題は、日本で考えてもピンときません。しかし実際にその現場で人々に出会うことで関わりが生じます。すると仲良くなったキャンプの人が抱えている問題を、自分のことのように感じられるようになり、より真剣に問題を解決しようという当事者意識が芽生えます。

問題を具体的にすれば見えてくる解決策

また、問題が具体的なほうが、より具体的な解決策が出ることもわかっています。
例えば、よい病院を探そうという場合に、漠然と議論しているときより、「夕べから背筋がぞくぞくするんだ」と訴えがあったほうが、「救急車を呼ぼう」「駅前にクリニックがあるから行ってみれば」と、具体的な病院の提案や適切な行動やアドバイスができます。やはり「当事者に近いこと」が、「問題解決に近いこと」がわかります。
このように現場の具体的な事例をたくさん集めて問題解決を探る方法を帰納法と呼びます。問題解決の方法にはさまざまなものがありますが、現場で具体的なものから導き出す方法はとても有効なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

清泉女子大学 地球市民学部 ※2025年4月開設 地球市民学科(地域共生領域) 教授 鈴木 直喜 先生

清泉女子大学 地球市民学部 ※2025年4月開設 地球市民学科(地域共生領域) 教授 鈴木 直喜 先生

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NGO、市民社会、グローバルスタディーズ

メッセージ

私は大学を出てから、海外青年協力隊員としてアフリカのマラウイに赴任し、理科の教師を2年間務めました。そして被災された人たちの支援をするNGOで働いたあと、アメリカの大学院に進学しました。現場でさまざまな体験をする中で、もっと勉強がしたいと思うようになったからです。
あなたも、例えば英語を勉強するときに「受験のためだから」でなく、「たくさんの人と話したいから」のように、この目的を果たすためにこの勉強をするんだと意識を変えると、勉強がとても楽しくなるでしょう。

清泉女子大学に関心を持ったあなたは

清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。