痩せたいけど痩せられない~知識と行動のギャップを埋めるには~
わかっていてもできないジレンマ
「痩せたいけれど、痩せられない」という人がいます。食べる量を減らして、運動すればよいとアドバイスしても、「そんなことは、わかっている」と言いますが、できません。つまり答えを知っていてもやらないのです。私たちの周辺には、知っていることと実際の行動のギャップがたくさんあります。
例えば、「戦争はしないほうがいい」、でも地球上では、いつもどこかで戦争が起こっています。「教室を出るときは、電気を消したほうがいい、でもいつもつけっぱなしです。それはなぜかと考えたり、どうしたらこのギャップを解決できるだろうと考えたりするところに、学問が生じます。
現場へ行ってみよう!
アメリカの哲学者であり教育学者でもあった、ジョン・デューイ(1859-1952)は「Learning by doing(行いながら学ぶ)」ことが問題解決には重要だと考えました。現場へ行って問題にかかわろうというのです。
アフリカの飢餓問題は、日本で考えてもピンときません。しかし実際にその現場で人々に出会うことで関わりが生じます。すると仲良くなったキャンプの人が抱えている問題を、自分のことのように感じられるようになり、より真剣に問題を解決しようという当事者意識が芽生えます。
問題を具体的にすれば見えてくる解決策
また、問題が具体的なほうが、より具体的な解決策が出ることもわかっています。
例えば、よい病院を探そうという場合に、漠然と議論しているときより、「夕べから背筋がぞくぞくするんだ」と訴えがあったほうが、「救急車を呼ぼう」「駅前にクリニックがあるから行ってみれば」と、具体的な病院の提案や適切な行動やアドバイスができます。やはり「当事者に近いこと」が、「問題解決に近いこと」がわかります。
このように現場の具体的な事例をたくさん集めて問題解決を探る方法を帰納法と呼びます。問題解決の方法にはさまざまなものがありますが、現場で具体的なものから導き出す方法はとても有効なのです。
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