地球規模の広い視野と行動力を育む「模擬国連」とは?
国連の働きを知るために
「国際連合(国連)」は広く知られた国際機関ですが、世界に対してどんな働きをしているかを知っている人は少ないかもしれません。困っている人たちや資源の足りない国への支援、ボランティアの派遣などは比較的知られていますが、それだけではなく世界情勢の危機や紛争などの複雑な問題にも関わっています。このような国連の働きについて、説明を聞くだけではなく実際に体験しながら学習できるのが「模擬国連」の取り組みです。各国の代表に任命された学生たちは3人1組でチームをつくり、模擬国連の会議で国際社会の問題解決に向けた議論を行います。
置かれた立場で考える
模擬国連で議題として設定されるのは、難民支援や平和、環境に関することなど、実際の国連でも取り上げられる内容です。参加者は担当国の歴史や政治などについてリサーチを行い、議題に関するスピーチや解決策の案を作るなど段階を踏まえた準備をする必要があります。模擬国連の本番では、国際社会にとっての問題の解決策について、他国の代表者と議論を交わして最終決議まで進めます。途中で反対意見が出ることも想定されます。大切なのは、その国の立場でどんなことができるのか、国の利益だけでなく国際社会の利益のために何かできるのかを考えることです。
「グローバル・シティズン」へのステップに
この体験的な取り組みを通して学ぶのは、国連がさまざまな問題に対してどのように関わり、世界に影響を与えているか、ということだけではありません。学生たちは仲間を巻き込みながら互いに教え合い、学び合いながら問題解決する力や、多様な国の代表者と交渉する力などを身につけていきます。もちろん英語での理解や、スピーチする能力も高まります。模擬国連は、自分の意見を持ちながらも、地球規模の広い視野で物事をとらえて世界を変えていくことのできる人、つまり「グローバル・シティズン」を育てることにもつながっているのです。
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