海外の人と働くために、必要なスキルを身につけるには

将来、一緒に働くのは日本人とは限らない?
グローバル化が進み、職場などで外国人と連携しながら一緒に働く場面が今後増えていきます。そのためには言語だけではなく、相手の国の文化や国民性などを十分に理解して協働するスキルを身につける必要があります。
将来国際環境で働くことを想定し、課題に取り組む実践研究として、海外の大学と連携した「オンライン国際交流学習」があります。これは、留学機会がなくても、言語や文化的背景の異なる海外の学生と交流できる教育プログラムです。
オンラインでの実践で求められる問題解決力
例えば、「日本向けのマーケティング戦略」という海外の学生の課題に、日本の学生が助言する立場で連携し、協働してプレゼンテーション資料を作成するとします。学生たちはオンラインツールを使い、「日本ではやっているもの」など英語でやりとりをします。
ただし、最初からうまくいくとは限りません。失敗の原因を分析し、時差を考慮して電子メールを早めに送る、伝えたいポイントの事前準備をするなど、細かな工夫を行う中で、学生たちの問題解決力が向上していきます。また自身の英語力の弱点や、相手の専門分野の基礎知識、ITスキルの必要性などに気づき、学習意欲向上や幅広い知識習得にもつながると考えられます。
「日本のあたり前」が通用しないことも
国際環境で働く場合、物事を決める際に誰の意見を尊重するかなど、その国の文化を考慮した行動も求められます。知識として異文化理解を深めておくことが必要ですが、異文化を意識したコミュニケーションの実践の場も大切です。前述の課題への取り組みでは、「シャイだ」と言われる日本の学生へもストレートな意見が求められる場面もあり、協働する中で繰り返されるコミュニケーションがトレーニングの場にもなっています。言語、知識やスキルだけでなく、そうした他国の文化に触れた学生の気づきや経験も、将来的に生かせると考えられ、今後も実践的な教育プログラムの充実が求められるでしょう。
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熊本大学共創学環(仮称) ※2026年4月開設予定(設置構想中) 講師シムズ ランダー ブライアント 先生
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