マンガの真髄はストーリーにあり!
マンガにおける3要素
日本のマンガは、さまざまなタイプの絵やストーリーが描かれています。これほどバラエティーに富んだマンガが描かれる国はないでしょう。マンガの要素は、「ストーリー」「絵」「コマ割り(絵の構成)」の3つの要素に大別されます。この中で作品にとって最も大切なのは、読者をひきつけるストーリーです。
あなたにしか描けないストーリーを探そう
絵やコマ割りは、自分が描きたいものを見つけて経験を積めば、ある程度読者に伝わる技術が身につくものです。しかし、ストーリーはあなたにしか描けないものでなければなりません。どこかで目にしたような作品では、読者の共感は得られないのです。マンガを描く面白さは、自分の一部である作品を通して誰かとつながることです。だから、あなたの内にある物語の種を探すために、自分自身と向き合うことが重要になります。
ストーリーの主題が固まったら、物語の展開や表現方法を練っていきます。物語をつくるということは、その「世界」をつくることです。そのためには、スポーツが題材なら競技の知識が必要ですし、歴史ファンタジーが描きたいなら中世ヨーロッパの人々の暮らしを知る必要があるのです。
進化を続けるマンガ
日本のマンガは、映画やアニメ、小説、音楽、演劇などと相互に影響を与え合い、進化を遂げてきました。インターネットが普及して、映像的な表現とマンガとの境界があいまいになっていますが、その分、ゲームとマンガ、文学とマンガというようにジャンルを組み合わせた新しい作品が登場しています。表現が多様化しても根底にあるのは、マンガに対する考え方です。大切なのは、やはりストーリー性のある表現で、たとえイラスト1枚でも、ストーリーを感じるキャラクターは生き生きとしています。
大学でマンガを学ぶということは、知識を増やしながらストーリーを構築する力を養い、思考や感情をどうやってマンガという表現に仕上げるか、その基礎になる考え方を学ぶことなのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
神戸芸術工科大学 芸術工学部 メディア芸術学科 教授 菅野 博之 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
マンガ学先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?