生命の誕生を見守り、支える助産師
母親と赤ちゃんの力を最大限に引き出す
生命は、母親と赤ちゃん自身の力だけではなく、多くの人の力が関わることによって誕生します。例えば助産師は、妊婦さんがリラックスできるような香り、音楽、照明といった環境にも配慮します。産後はなるべく早期に母親と赤ちゃんが触れあえる時をつくることで、母子関係を築いていきます。このように、助産師は母子の状態を見守りながら、健康管理だけでなく、母親と赤ちゃんの力を最大限に引き出し、母と子の関係を心身ともに築いていけるよう、幅広い視点からサポートします。
新しい家族を受け入れ、迎えるために
母子の力を引き出すには、家族のサポートも重要です。助産師によって、出産・育児に備えるための必需品の紹介や育児体験などを行うプレパパ・プレママのためのセミナーも行われています。また、父親が妊婦ジャケットを装着し、妊娠期間の大変さを体感してもらう取り組みも実施されています。そして、産まれた赤ちゃんに対し、父親や祖父母などに、見て、触れてもらえる機会を設定し、自分の子ども・家族だと認めていくよう働きかけます。赤ちゃんという新しい家族を迎え入れる環境づくりも、助産師の重要な仕事なのです。
未来の生命につなげるために
母親・父親となっていくには、参考となるモデルを持つことも大切です。昔は近所のお付き合いの中で、自然にモデルとなる存在と関わることができました。ところが、近年は地域のつながりが希薄になっています。そこで、先輩ママ・パパと交流したり、祖父母世代に地域の子育てに関わってもらったりする活動も始まっています。そして、思春期の子どもたちには、学校などで多くの人の力によって誕生した生命の素晴らしさ、自分という生命の大切さを伝える教育も行っています。生命をつなげていくため、メッセージを送り続けるのも、助産師の役割なのです。
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先生情報 / 大学情報
甲南女子大学 看護リハビリテーション学部 看護学科 教授 川村 千恵子 先生
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