人と人とがつながる、ボランティアと国際協力とは
困っている人に、自分ができることを行う
1995年の阪神・淡路大震災の時、日本全国から被災地に支援する人々が入り、活動を行いました。世界からも多くの支援が寄せられ、「ボランティア」が日本に根付くきっかけになりました。当時は自分にできることを考えて行う、ある意味自由な活動でした。しかし現在は、ボランティアに関するさまざまな情報があるものの、「ボランティアとはこういうものだ」「資格や技術がないと、ボランティアができないのではないか」と構えて考える人が増えているようです。本来ボランティアとは自発的なものです。心を動かされたら、想像力を働かせて実際に現地へ行くということです。
ボランティアとは、人と人とのつながり
ボランティアに行くと「来てくれるだけでありがたい」と、待っている人が必ずいます。どれほどAI(人工知能)の技術が進んでも、最後は「人を救うには人しかいない」のです。AIの研究者がなぜ開発にいそしんでいるか、それはより良い社会の実現のためです。しかしその主役は人です。AIも活躍してくれるでしょうが、いくらAIがボランティア活動に介入しても、そこには人間同士のつながりは発生しません。ボランティアで一番大切なことは、人と人とのつながりなのです。
世界と自分とのつながりをつくる
世界に目を向けた国際協力や国際貢献など、大きな話は実感しにくいものですが、日常生活でもできることがあります。生活者や消費者の立場から、世界各地で起こっている問題を考えることです。「自分が将来やりたいと思っていることは誰かを助けることになるか、社会に貢献するか、地球のどこにつながっているか」などに関心を持つことで、人の思考や行動が変わります。
「私には関係ない」と考えるかもしれませんが、実は身近なところで密接につながっているものです。知識があればそれがわかりますし、正しい判断や決断も可能です。地球社会の問題を意識して考えることが、世界をより良い方向へ導くことにつながるのです。
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先生情報 / 大学情報
甲南女子大学 国際学部 多文化コミュニケーション学科 准教授 高橋 真央 先生
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