情報化社会を生きるための「情報教育」とは
教育は社会の変化とともに進化する
教育は、一人ひとりの子どもが社会に適応したり、未来の社会をつくったりということをめざします。教育は社会の変化に敏感である必要があります。
現代社会では情報化がめまぐるしく進んでいます。教育の現場では、今の情報化社会に子どもたちがうまく適応する力をつけること、10年後、20年後によりよい情報化社会をつくっていける人たちを育てることが、情報教育のねらいです。
「情報」という言葉の意味
そもそも「情報」とは何でしょうか? 情報という言葉の意味は、「受け取ったことによって、わからなかったことがわかるようになること」ですから、デマであっても、それがウソとわかるまでは情報の仮面をかぶっています。受け取ったときに明らかにウソだとわかるものは情報ではありません。情報化社会が進むほど、いろいろなニセ情報が交錯して、どれが本当かを見極めることが難しくなります。ですから、クリティカル(批判的)に情報を見て、自分で判断することが必要になってくるのです。
情報教育の3要素とは
国語の授業でワープロソフトを使い、文章を書くことは、情報教育ではありません。各教科の目標の達成のためにデジタル機器を利用するのは「ICT(情報通信技術)活用」と呼ばれています。これに対して情報教育とは、児童生徒に情報活用能力を身につけさせるものです。情報活用能力の要素は3つあります。1つめは「情報活用の実践力」です。これは情報を集め、選択し、表現する力です。2つめは「インターネットはどうしてつながるのか」「デジタルはどうして便利なのか」という「情報の科学的理解」です。3つめはネット上のエチケットである「ネチケット」やモラル、SNSへの基本的な態度を身につけることなどの、「情報社会に参画する態度」です。この3つの力を子どもたちに授け、情報化社会のよさと欠点を子どもたちが理解しながら、心豊かに成長するよう教育で導いていくことが求められているのです。
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兵庫教育大学 学校教育学部 教授 森山 潤 先生
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