プログラミングはIT社会の鍵になる!

プログラミングはIT社会の鍵になる!

人間と社会のための情報を考える情報理工学

現代は高度情報化社会と言われます。「情報」とは、出来事などを含めた物理的な物の持つ様子・意味・状態のことを指します。情報理工学(information and communication sciences)とは、英名に「コミュニケーション」と入っているように、人間と社会が対象になってきます。人間と社会のために、情報の観察や分析をしたり、問題解決の枠組みを追究したり、あるいは計算を行うコンピュータにかかわっていく学問なのです。

危険なブラックボックス

インターネット自体は、子どもから高齢者まで誰でも使えますが、その仕組みがどうなっているかわからないブラックボックスの状態で使っていることが多いでしょう。これは大変危険なことです。まず、自分が覚えた使い方では操作できても、少し環境が変わると対応できないことが考えられます。コンピュータやソフトウエアが予想外の動きをした場合にも対応できません。また、時々話題に上るコンピュータウイルスによる情報流出のように、知らないうちに社会に対して損害を与えることもあり得ます。だからこそ、情報や機器、インターネットの仕組みについて基本的な知識が必要なのです。

プログラムを知ることの大切さ

プログラムとは、問題解決をするための手順を記したもので、ブラックボックスの中身にあたります。例えばゲームのキャラクターのビジュアルや動き、あることが起こった時の反応などはすべてプログラムで決定していきます。コンピュータは機械ですから間違ったプログラムでもそのまま実行します。スペルミスのような初歩的なミスでプログラムが作動しないこともありますが、怖いのは一見動いているように見えてバグ(プログラムの誤り)が潜んでいることです。バグが原因でエレベーターが故障することもあります。怖いことがある一方で、プログラムで作られたSNS(Social Networking Service)のようなシステムによって防げる事故もあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

上智大学 理工学部 情報理工学科 准教授 高岡 詠子 先生

上智大学 理工学部 情報理工学科 准教授 高岡 詠子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

情報科学、情報工学、通信学

メッセージ

大学で学ぶ学問を選ぶ時は、それが人間や社会に本当にプラスになるかを考えることが大事でしょう。目先のお金もうけや利益でなく、長い目で見て、今自分がしようとしていることが本当に将来人間の役に立つかを考えることです。どんな情報を手に入れるのか、正しい情報なのか間違っているのか、誰かが決めるのではなく自分で正確に判断していくために、情報について学びます。インターネットだけに偏るのでなく、本を読んだり、人とのコミュニケーションの中で、必要な情報を判断し取り出していくようにしましょう。

上智大学に関心を持ったあなたは

日本初のカトリック大学として開学し、創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界約80ヶ国に390校以上にも及ぶ交換留学・学術交流協定校があり、コロナ禍の2020年度、2021年度を除き、毎年約1,000人の学生が世界の様々な国や地域へ留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。