地域で高まる介護福祉士への期待
地域で支援する「介護予防」
介護というと施設介護、在宅介護をイメージする人が多いかもしれませんが、地域で支援する「介護予防」も注目されています。介護予防とは、高齢者が活動的な生活を送りながら要介護・認知症になることを、できるだけ遅らせたり、悪化を防いだり、症状を軽減することをめざすもので、「転倒や閉じこもりを防ぐ」「運動や栄養への関心を高める」など、地域に応じたプログラムが実施され始めています。
学生が関わることが高齢者にプラスに
介護予防は、地域社会や専門家が連携してプログラムづくりなどを進めますが、なかには大学も関わる事例も見られ、学生が関わることが高齢者にプラスになっているという評価もあります。最初は参加をためらっていた高齢者が、学生との交流でとても元気になるケースが見られるなど一定の効果が上がっています。実践を進めていく中で、地域で介護予防につながる自主的なグループができ、そこに学生や若い人も関わって地域全体が元気になることをめざす取り組みが続けられています。こういった取り組みに大学生が参加することで、ファシリテーションの能力やリーダーとしての資質の獲得にもつながります。
「地域に目をむける」介護福祉士へ
介護福祉士をめざすには、介護の専門的な知識、確かな介護技術、温かい心に加えて、医療的ケアや認知症ケア福祉などいろいろな分野が重なった学びが求められます。また、QOL(クオリティオブライフ=生活の質)の観点から、その人が望むよりよい生活を支援するために根拠ある介護実践をする技術も学んでいきます。介護福祉士には、専門的な介護のプロとして、また、地域や現場の中核となるリーダーとしての力も求められています。
また、「地域に目をむけた」実践力を身につけた介護のプロとしてステップアップしていくことが期待され、保健・医療に関連する分野と協力しながら、介護福祉士の関わっていくことができる分野は、ますます広がっているのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪人間科学大学 人間科学部 社会福祉学科 教授 武田 卓也 先生
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