あるがままに生きる!ストレスに負けないための「健康心理学」
精神、身体、社会のバランスが健康をつくる
現代社会では、老若男女すべての人がストレスを強く感じています。学校や会社で、ストレスを溜めこみ過ぎてうつ状態になり体の調子を崩すという話も多く聞かれます。しかし生きていく以上、自分の心にとってストレスという負担があることは当たり前の現象です。
心理学は人の生活全般を科学する学問です。精神的な面だけではなく身体的・社会的な側面にまで目を向け、日々やってくるストレスに圧倒されず、心、体、生活行動のバランスを維持して、もっと良い方向に自分を持っていこうと働きかける学問が心理学です。
嫌な感情を認めるのがストレス攻略の第一歩
「受験勉強をするべきだけれど嫌だ」と思う気持ちはストレスですが、自分の中で「嫌と思ってはいけない」、と思っていませんか? 実は、それがさらなるストレスを呼びます。「嫌だ」という感情を持つと、人間はそればかり考えてしまうのです。嫌な感情はあって当たり前、そのままいったん受け入れて、それからどうするかを考えることが大事です。リラックスや気晴らしで気持ちを切り替えたり、友人と一緒に勉強したり、その時々の状況に応じた対処をすることでストレス耐性がついてきます。受験勉強はしなければなりませんが、一生続くわけではないことを理解すれば、気持ちや取り組み方も変わってくるはずです。
どんな出来事にもプラスの面がある
もし努力の結果が期待通りではなくても事実としていったん受け入れ、良い悪いの意味づけはせず、落ち込まないように次のプラスへと生かせばいいのです。自分の希望がかなわないことがあったとしても、ひょっとしたらほかのチャンスとの出会いがあるかもしれません。
「どんな出来事にもプラスの面がある」と考え、受け取り方を変えれば心は楽になり、その先のことをめざすことができるようになります。昔の人は「あるがままに受け入れよう」と言いましたが、まさにそれがストレス社会をうまく泳ぎきるための有効な心の持ち方であることが、最先端の心理学でも実証されつつあります。
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先生情報 / 大学情報
大阪人間科学大学 心理学部 心理学科 教授 大野 太郎 先生
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