AIが当たり前の世界で、社会貢献のアイデアを実現しよう
私たちの「知能」って何?
今の私たち人類の姿は、生命誕生から約40億年かけて現在まで変化した結果だとするのがダーウィンの進化論です。適者生存といって、生き残るために環境への適応を繰り返した結果というわけです。この考え方をコンピュータで再現するのが「進化計算アルゴリズム」です。そこでは人間が人工知能(AI)に指示していないことも、AI自身が最適な方法を考えて学習します。
今や、あって当然の技術
これを活用したのがディープラーニング技術です。以前のAIは「A=B」と「B=C」と教えることで「A=C」と推定するというものでした。今はディープラーニングで認識することで、「Aっぽい」「Bらしい」など明確でないものも自ら推定できるところまで来ています。手書きのメモや印刷物から文字を認識したり、人間の音声から内容を読み取ったりといった技術もディープラーニングの成果であり、今では誰もがスマートフォンなどで当たり前のように活用しています。AIは日進月歩で発達しており、さらなる実用化によって社会にどう貢献できるのかを考える段階になったと言えるでしょう。
社会に貢献するAIを考えよう
AIはいろいろな場所で活用できます。例えばドローンを人間が操縦せずに、AIが自動で状況を判断することで、広範囲の土砂崩れなど捜索が困難な状況でも「助けを求めている人がいる」「優先して助けが必要なのは誰か」などがわかり、迅速な人命救助が可能となります。介護施設では、少子高齢化による人手不足が懸念されていますが、利用者の食事の様子などを姿勢検知し、AIが一人ひとりの体調を判断して介護者に通知できれば、負担は大きく減るでしょう。
また人工心臓や人工肺が存在するように、これからは脳を補助する医療器具があってもいいはずです。人は年齢を重ねると認知能力や記憶力が落ちるので、それをAIが補助するというわけです。このようにアイデアさえあれば、全く新しい社会貢献ができる世界が広がっているのです。
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佐賀大学 理工学部 理工学科 数理・情報部門 准教授 中山 功一 先生
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