目には見えにくいけれど最も大切 ~「生きる力」を育む幼児教育~
子どもが「遊ぶ」ことは「学ぶ」こと!
子どもにとっての「学び」はいつからスタートすると思いますか? 読み書きを覚える小学生から本格的な「学び」が始まると思っている人も多いでしょう。一方、幼稚園や保育園に通う子どもは、ただ遊んでいるだけと思っていませんか? 実は、就学前の子どもは、さまざまな遊びや体験を通じて、「目標に向かって頑張る力」「人と関わる力」「感情をコントロールする力」など、これから生きていくために必要な力を学び、身につけているのです。このように見えない力を「非認知能力」と言います。幼稚園や保育園ではこのような力を育てることを大切にしており、これらは小学校以降の学習の基礎となる重要な力です。
先生は子どもの力を引き出し、伸ばすプロ!
幼稚園教諭や保育士などは子どもの持っている力を引き出し、それらを伸ばすプロフェッショナルです。一見、子どもの遊びを見守っているだけのように思えても、実はおもちゃの配置や声をかけるタイミングを工夫したり、あえて答えを教えることをせず、子ども自身が探求できる環境を構成したり……と、一人ひとりの個の成長とクラス集団の成長を瞬時に見極めながら、その場において最適なアプローチを考え実践しています。そのため、先生自身も学生時代の学びの基礎に加え、保育の現場における経験や研修を重ねながら、常に学び続けていくことが必要です。そうした姿勢が子どもの学びを支えるプロとして、今求められています。
幼児教育に対する社会的評価の改善をめざして
このように幼稚園や保育園などにおける幼児教育は非常に重要で専門性が求められる分野です。にもかかわらず、残念ながら「子どもは幼稚園・保育園でただ遊んでいるだけ」「保育者の専門性は高くない」という認識を持っている人は少なくありません。
このような現状を改善し、幼児教育の大切さをより多くの人に知ってもらうために、子どもの幼稚園などでの学びやそれを支える先生の専門性を可視化し、発信していくことが幼児教育の分野における今後の課題とされています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
大阪人間科学大学 人間科学部 子ども教育学科 准教授 フィールデン 育未 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
幼児教育学、保育学、教育学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?