あなたは外国人に日本語を教えられますか?
増え続ける日本語学習者
日本語を勉強している人は、アジア圏内に圧倒的に多く、何らかの教育機関で学んでいる人は約400万人です。30年間で30倍に増えました。昔からアジア圏に多いという傾向は変わりませんが、学びたいというその理由は変化しています。戦前から日本研究として、日本の歴史や茶道、歌舞伎、浮世絵などを勉強している人はいました。その後、日本が高度成長の時代に入って、日本製品や技術が海外で知られるようになり、それを学びたいという人たち、日本人観光客とのコミュニケーションをとる必要がある旅行業の人たち、そのような人が日本語を学ぶようになりました。それが落ち着き、日本語学習者が急増するという現象はなくなりましたが、増え続けていることは間違いありません。
「好き」なことが上達のコツ
現在は日本のアイドル、アニメ、ゲームソフトなどのサブカルチャー、ファッション、和食が好きだからという人たちが日本語を学んでいます。日本語を勉強することでお金を得ることが目的ではなく、純粋に日本の文化が好きなので学んでいるという人も多いのです。特にヨーロッパでは日本のサブカルチャーは大人気です。このように「その国の文化が好き」という動機で語学を学ぶことは、上達が早いという傾向が見られます。
日本語を教えるには?
熱心な日本語学習者が増えたことで、世界中で日本語教師の需要が高まっています。私たち日本人は生まれたときからシャワーのように日本語を浴びているので、無意識に日本語の文法を身につけています。そのため日本語を初めて学ぶ外国人にわかりやすく効果的に教えるには、あえてもう一度日本語を意識的に考えてみる必要があります。例えば「あの人がジョンさんです」と「あの人はジョンさんです」という2つの文はどう違うでしょう。誰にでもわかるように説明するのは案外むずかしいものです。日本語とはどういう言語なのかを考えることは、それを使う日本人や日本文化について深く、広く、新たな視点で考えることにもつながっていきます。
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先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 国際教養学部 国際教養学科 Japanese Studies専修 教授 友沢 昭江 先生
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