外国人とともに生きる「多様性の社会」について考えてみよう!
人口の2%が外国人! より身近な存在に
日本には現在、200万人以上の外国人が住んでいて、人口の2%弱を占めています。家族や友だちなど、身近に外国人がいる人も少なくないでしょう。そんなグローバル化の時代だからこそ、外国から来た人たちとともに暮らし、力を合わせていく「多様性を大切にする社会」が求められています。そこには言語、教育、地域での生活などのさまざまな課題があり、その解決の糸口を探ることも「国際関係学」の一分野です。
日本語が苦手な子どもたちをサポート
日本には外国にルーツを持つ学齢期の子どもたちが、たくさん暮らしています。なかには日本語があまりわからないまま学校に通う子どももいて、学習支援が求められています。子どもたちに漢字を教えたり、慣れない図工や習字の宿題を手伝うなど、学生や地域の人々によって教育を支える活動も行われています。
しかし、ただ支援するだけでなく、活動を通じて、彼らが直面するさまざまな問題について知ることも大切です。日本語の読み書きに苦労して進学や就職で挫折したり、不利な労働条件で働かざるをえないこともあります。子どもたちが自分の能力を発揮するためにも、日本語教育と学習のサポートが欠かせません。
外国人が多く暮らす地域では交流が課題
外国から来た人たちが、地域社会にどうなじんでいくかも重要な課題です。最近では、フィリピン人が増加傾向にあります。以前は「出稼ぎ」のため単身で来日する人が多かったのですが、近年は家族や親せきといった集団で移住するケースが増えてきています。アパート1棟すべてがフィリピン人という場所もあります。そうなると、ごみの出し方を覚え、町内会の防災訓練へ参加するなど、地域になじんで地元の日本人と交流する必要が出てきます。お祭りに外国人の参加を積極的に促すなど、先進的な取り組みをしている地域もあります。
未来にむけて、多文化を受け入れ共生するために、日本で暮らす外国人とともに「多様性のある新しい社会のあり方をデザインする」人材が求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
静岡県立大学 国際関係学部 国際関係学科 教授 高畑 幸 先生
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