「お金の動き」から、社会や経済を考える
自分の「お金の使い方」を振り返ってみよう
あなたが小学生の頃、お小遣いはいくらでしたか? おそらく数百~数千円の範囲内で、やりくりしていたと思います。高校生になって購入するものの金額が大きくなると、欲しいものを買うためにアルバイトを始める人もいます。お金の使い方が「収入ありき」から、「欲しいものありき」に変わってきたと言えます。そして、社会人になると、クレジットカードなどを使って自分の収入以上の買物が可能になります。その時、「収入」よりも「欲しいもの」を先行させてお金を使っていくと、借金を抱えて生活が破綻するおそれがあります。お金はあなたのコントロールがうまくいかないと、リスクを招く存在にもなり得るのです。
「銀行」に預けたお金はどこに行く?
お金を管理する方法として、「銀行」の預貯金があります。銀行に預けるということは、あなたが持っている「日本銀行券(紙幣)」を、その銀行に対しての「請求権」に変えることでもあります。そして、預けたお金は銀行から企業などに貸出され、世の中に回っていきます。ところが、銀行が貸出企業の選択を誤ると、銀行が損失を抱えて倒産してしまうこともあります。そして、あなたの預貯金は「ペイオフ制度」によって元本1000万円までは保護されるとはいえ、それ以上は戻ってこなくなるおそれがあります。銀行はリスクを抱えながら、貸出の判断をしているのです。
社会や経済の状況から「お金」を考える
銀行の役割のひとつは、世の中のお金を流動させ、社会経済の活性化に貢献することです。銀行が「お金を回す」ことが次の投資や成長を生むことになるのです。日本は物価が継続的に下落する「デフレーション」状態が15年以上続いています。また、世界経済の動きを見ると利益第一主義の過度な投機によって、リーマン・ショックのような大混乱を招く事態も起こっています。このような状況下で、「お金の動き」をどのように経済成長に結びつけていくかが日本の課題であり、経済学の観点からも注目されています。
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先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 経済学部 経済学科 教授 中野 瑞彦 先生
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