講義No.06562 経済学

「お金の動き」から、社会や経済を考える

「お金の動き」から、社会や経済を考える

自分の「お金の使い方」を振り返ってみよう

あなたが小学生の頃、お小遣いはいくらでしたか? おそらく数百~数千円の範囲内で、やりくりしていたと思います。高校生になって購入するものの金額が大きくなると、欲しいものを買うためにアルバイトを始める人もいます。お金の使い方が「収入ありき」から、「欲しいものありき」に変わってきたと言えます。そして、社会人になると、クレジットカードなどを使って自分の収入以上の買物が可能になります。その時、「収入」よりも「欲しいもの」を先行させてお金を使っていくと、借金を抱えて生活が破綻するおそれがあります。お金はあなたのコントロールがうまくいかないと、リスクを招く存在にもなり得るのです。

「銀行」に預けたお金はどこに行く?

お金を管理する方法として、「銀行」の預貯金があります。銀行に預けるということは、あなたが持っている「日本銀行券(紙幣)」を、その銀行に対しての「請求権」に変えることでもあります。そして、預けたお金は銀行から企業などに貸出され、世の中に回っていきます。ところが、銀行が貸出企業の選択を誤ると、銀行が損失を抱えて倒産してしまうこともあります。そして、あなたの預貯金は「ペイオフ制度」によって元本1000万円までは保護されるとはいえ、それ以上は戻ってこなくなるおそれがあります。銀行はリスクを抱えながら、貸出の判断をしているのです。

社会や経済の状況から「お金」を考える

銀行の役割のひとつは、世の中のお金を流動させ、社会経済の活性化に貢献することです。銀行が「お金を回す」ことが次の投資や成長を生むことになるのです。日本は物価が継続的に下落する「デフレーション」状態が15年以上続いています。また、世界経済の動きを見ると利益第一主義の過度な投機によって、リーマン・ショックのような大混乱を招く事態も起こっています。このような状況下で、「お金の動き」をどのように経済成長に結びつけていくかが日本の課題であり、経済学の観点からも注目されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

桃山学院大学 経済学部 経済学科 教授 中野 瑞彦 先生

桃山学院大学 経済学部 経済学科 教授 中野 瑞彦 先生

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経済学

メッセージ

経済学は、社会や世界を大きな視点でとらえることができるという面白さを持った学問です。経済学の基礎知識を身につけた上で、個人や企業、社会の行動や「お金の動き」を研究することは、社会に出てから必ず役立ちます。
桃山学院大学経済学部は今、アジアに注目しています。「世界が変わる体験がある」をコンセプトに、アジアで英語を学ぶプログラムも用意して、あなたを待っています。ぜひ、桃山学院大学経済学部の扉をたたいてみてください。一緒に経済学を勉強していきましょう。

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大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
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