スポーツのケガは予防できる!?
種目によって、ケガの種類は違う
本格的にスポーツを行う場合、ケガや故障をしてしまうことがあります。ケガをする部位は、スポーツによって特徴があります。例えば、サッカーは圧倒的に下半身のケガが多く、野球は上半身だけではなく、全身に及びます。ただ、スポーツに参加する時にはケガをするリスクがあることが、十分理解されているとは言えません。そのため、ケガをした場合に、たとえ予防可能なケースであっても、参加者の自己責任として扱われる傾向があります。
ケガの種類について知ろう!
ケガには2つの種類があります。1つめは突発的に起こる「外傷」で、ねんざや骨折、肉ばなれ、脱臼(だっきゅう)などがあります。もう1つは、使い過ぎによる「障がい」で、じわじわ痛みが強くなり、ある日突然、ボールが投げられなくなったり、立ち上がれなくなったりします。野球肘(ひじ)などが知られています。
スポーツによる外傷と障がいの研究は進んでおり、その発生メカニズムも解明されつつあります。例えば腰の痛みがある場合、腰自体の骨、神経、筋肉などの組織の病理的・解剖的な異常によって生ずる器質的な問題があるケースもあれば、競技特有の動作の繰り返しによって二次的に発生するケースもあるのです。ですから、痛みに対しては対症療法的に対応するだけでなく、どのような動作が腰痛を引き起こしているのか、その原因について、丁寧に観察していく必要があります。
ケガを防ぐ最善の方法
ケガの発生メカニズムが明らかになるにつれ、新しい問題が起こっています。それは、科学的に正しいとされることが、すぐにはスポーツの現場で採用されないことです。今では当たり前となっている練習中の水分補給も、ほんの少し前までは精神的鍛練などを理由に、相当制限されていました。
安全にスポーツを実践するには、科学的に正しいとされていることを、それぞれのスポーツの現場の現状に即して、柔軟に取り入れていく関係性を構築していくことが大切なのです。
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先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 人間教育学部(※2025年4月開設) 人間教育学科 教授 中村 浩也 先生
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