発展途上国・新興国の財政破綻を防ぐ、国際的な取り組み
国際金融取引の利益と危機の発生
国際金融取引とは、国境を越えた金融取引です。国際金融取引により資金過剰国から資金不足国へお金を回すことができ、世界全体として効率的にお金を使うことができます。国際金融は、うまく機能すれば途上国や新興国の経済を発展させ、貧困や格差を解消する有効な手段となります。しかし、それと同時にコントロールが難しい諸刃の剣でもあります。なぜなら、国際金融市場の規模は非常に大きく、急激な資本の流入や流出は、金融危機などの混乱を引き起こすこともあるからです。国際金融市場が安定的に機能するために、私たちはどう対処すべきでしょうか?
グローバル要因による危機の発生
ある国が危機に陥る要因として、国内要因とグローバル要因があります。以前は、国内要因が主流で、国の財政赤字拡大など、国内経済に問題があるとされていました。しかし近年では、アメリカの金利引き上げや、資源価格の変動など、グローバル要因による危機の発生が増えてきました。この場合、その国の経済自体は順調でも、アメリカの政策変更などをきっかけとして資金が流出し、危機に陥ってしまうことがあります。金融自由化とグローバル化が進むにつれ、グローバル要因による危機の発生が度々起きるようになってきました。
近隣諸国で協力し合って危機を防ぐ
グローバル要因による危機の発生を防ぐには、いざという時のサポート体制を強化し、投資家の不安を和らげることが必要です。一方で、外部からの手厚いサポートへの依存は、国内要因の解決を鈍らせ膨らませてしまう「モラルハザード」にもつながるため、サポートのバランスも大切です。普段からお互いの経済状況を把握することで、危機につながる国内要因を取り除き、いざというときには助け合う。国際金融市場の安定化のためには、国際金融協力が欠かせないのです。資金力がなく、インフラが整っていない新興国・途上国にとって、国際金融市場を安定させることが、経済発展のための大きな力になります。
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先生情報 / 大学情報
神奈川大学 経済学部 現代ビジネス学科 准教授 奥山 聡子 先生
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先生への質問
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