幸せな人生のために、生涯を見据えた「お金の学び」を身につける
「お金の知識」はこれからの社会の基本スキル
家政学が日本で学ばれるようになったのは戦後のことです。食や被服、住居、子育てなど、暮らしの中のさまざまな事柄をコントロールしていくためには、生活経済=お金に関する知識を身につけ学びを深め、学んだ知識を具体的に活用する、より実践的な取り組みが重要です。2022年からは、高校の家庭科の授業で「金融教育」が始まりました。
社会に出る前の若い人にとって「お金の勉強」は自分ごととして捉えにくいかもしれません。「収入に対し支払う社会保険料は?」「実際に手元に残る金額は?」と聞かれても、なかなかイメージしにくいでしょう。しかし、これからの社会を生きる上で「金融リテラシー」はもはや欠かすことのできないスキルです。
「幸せ」になるために、お金について考える
生活経済学では、暮らしにまつわるお金について理解し、より幸せな人生を送るにはどうしたらいいかを考え、実践します。そのためにまず必要なのは「人生設計」です。関連統計を参考にしながら、就職、結婚、出産、住宅の購入や子どもの学費、食費や光熱水費といった生活費まで、具体的な事柄やそれに関わる費用を算出します。これにより、生きていくためにどれくらいのお金が必要なのかが具体的にわかり、それによりどんな対策を施せばいいかがわかります。
「今」だけでなく、長期的な視点で考える
経済は社会情勢によって大きく左右されるものであり、常に変化しています。コロナ禍のような不測の事態が起こることもありますし、新しい金融政策が行われたり、制度そのものが大きく変わったりすることも珍しくありません。だからこそ将来を見据える「長期的な視点」を持つことが大切です。目先の数年ではなく生涯を通じて見るという発想が基本です。これらの考え方が身についていれば、時代に応じたさまざまな制度の改定や社会における価値観の変化にも柔軟に対応することができるのです。
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先生情報 / 大学情報
金城学院大学 生活環境学部 生活マネジメント学科 教授 古寺 浩 先生
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