データの「暗号化」がデータ通信を守っています

データの「暗号化」がデータ通信を守っています

データを暗号化するって何するの?

電子マネーやネットショッピング、スマートフォンを使ったメッセージやネットゲームなど、そのデータのやり取りのほとんどは暗号化されています。逆に、暗号化されていないデータは、簡単に盗み見られてしまうのです!
データを暗号化するということは、読まれたくない人には読ませない、読んで欲しい人にだけ読めるようにするということです。そのようにしたければ、ある規則のもとでデータをごちゃ混ぜにして、どういう風にごちゃ混ぜにしたかを、読んで欲しい人にだけ教えれば良いわけです。

暗号化は簡単にできるの?

計算機はとても進歩しています。それでも読まれたくない人に解読されないのでしょうか? 現に日本のスーパーコンピュータ・京は、たった7カ月で性能のランキングで世界一から2位に脱落しました。データ通信は世界中を巡っています。どういう風にごちゃ混ぜにしたかを、遠く離れたその人にだけこっそり教えることはできるでしょうか。電話はどうでしょう? 盗聴されてないでしょうか? 暗号化では、どれくらい解読されにくいのか、どうやって暗号化の鍵を教えるのかを考えなければいけません。

頑丈な暗号には難しい数学が必要なのです!

計算機の能力にも負けず、そして遠く離れた人にだけ読めるようにするには、偉大な数学者さえも、簡単に解けないと手を上げてしまう、数学の超難問を活用することになります。一方で、その超難問を使った暗号技術で必要となる計算は、整数の加減乗除算であったりします。中でも、重要な役割を果たしているのが素数です。それって小学校で習った算数レベルってこと? なぜそれで、頑丈で破られない暗号が作れるのか、そして実際にどのようにしたら、電子マネーのような技術にまで繋がるのか、数学を継続して学問し、工学というスパイスと化学反応させると見えてきます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

岡山大学 工学部 情報・電気・数理データサイエンス系 教授 野上 保之 先生

岡山大学 工学部 情報・電気・数理データサイエンス系 教授 野上 保之 先生

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離散数学

先生が目指すSDGs

メッセージ

算数・数学が大好きで、算数・数学だけが好きでした。そして工学というものづくりの分野に足を踏み入れ、いまの自分が活躍できています。数学と工学の化学反応の一つが暗号です。自身の興味の一部を、社会に役立てる喜びを、大学という場で一緒に経験しましょう。自身の夢を諦めず、頑張ってください。応援しています。

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岡山大学は、これまでの高度な研究活動の成果を基礎として、学生が主体的に“知の創成”に参画し得る能力を涵養するとともに、学生同士や教職員との密接な対話や議論を通じて、個々人が豊かな人間性を醸成できるように支援し、国内外の幅広い分野において中核的に活躍し得る高い総合的能力と人格を備えた人材の育成を目的とした教育を行います。