ロボットはもう、実際に社会で活躍し始めている!
ロボット技術を医療や生体関連に生かす
産業用のアーム型ロボットや2足歩行の人型ロボットなど、ロボット研究の進化には目覚ましいものがあります。そして今、ロボット研究は新たな段階へと移り、実際に社会の中で活躍する時代を迎えようとしています。
ロボットを「形づくり」「動かし」「情報を収集して」「学習させる」ための機械工学や制御工学、情報工学、コンピュータ技術などの基礎研究段階から、実際に社会や産業分野で求められるロボットをつくる応用の時代へと進化しているのです。そのひとつが、医療や生体関連の分野です。
リハビリロボットや内視鏡ロボット
具体的には、脳卒中でマヒが残った患者さんのためのリハビリテーションロボットや胃カメラ、内視鏡手術などに使用される軟性内視鏡ロボットです。
リハビリロボットは椅子に座った状態で装着し、上肢をロボットが動かすことで効果を上げるものです。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が行っているリハビリのノウハウを取り込むことで、リハビリをロボットに代行させ、効果の定量的な計測も可能にしました。また内視鏡ロボットは、医師が手に持って操作していた部分がロボット化されています。センサーで反力を計測し、力加減もわかるようにすることで医師の手をフリーにし、操作や手術に集中できる環境をつくります。
人体の仕組みを知り、プロのノウハウを取り込む
医療と工学分野の連携で重要なことは、医者や医療技術者のプロの技術・ノウハウをいかにロボットに組み込むかということです。ロボットをどのように動かせば効果が上がるのかは、人間の身体の仕組みを知り、PTやOTからのアドバイスも必要です。そのほか、生体医工学として期待されているのが、人工関節や人工軟骨です。ここでも、機械工学のものづくりの技術をベースに、肩関節などの三次元的な動きや構造、機構を知ることが重要になってきます。
ロボット開発は、社会で役立つものを実際に作り出していく時代に入っているのです。
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先生情報 / 大学情報
九州工業大学 工学部 機械知能工学科 准教授 坂井 伸朗 先生
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