「プログラム」は人とコンピュータの言語ギャップを埋めてくれるもの
コンピュータの中では何が起こっているのか?
私たちが使う日本語や英語などの言葉はコンピュータには理解できません。コンピュータの世界は0と1だけで構成された、いわば黒か白かの世界です。この両者のギャップを埋めて、コンピュータに命令を伝えるのが「プログラム」です。プログラムはC言語やBASICなど人間にも理解しやすい形で記述されます。プログラムはさらに「コンパイラ」という部分で翻訳されて、最終的にはコンピュータが理解できる0と1だけの言葉に変換されるのです。
1秒間に10億回もの仕事をこなす
「Hello, world!」と印字するためのプログラムをキーボードに打ち込むと、パソコン画面には即座にその文字が表示されます。私たちが目にするのはこの入力と出力の部分だけですが、コンピュータの中ではどんなことが起こっているのでしょう。入力されたデータはまず記憶装置というところに保存されます。そこからCPUと呼ばれるコンピュータの頭脳部分に送られ、プログラムの命令に従ってさまざまな処理がなされます。その処理スピードは1秒間に10億回もの計算ができるほどです。当然のことながら人間の能力ではとても太刀打ちできません。
理想のコンピュータの設計とは
コンピュータに求められるのは、処理能力が高くて価格が安い、しかも消費電力が少なくてすむなどの条件です。コンピュータの回路図は複雑で、システム設計の専門家をもってしても、手で書くことは不可能です。ですから人間の仕事は「ハードウェア記述言語」という言語を使ってどんな機能をもたせるかという仕様書を書くところまでです。あとはコンピュータ自身がこの仕様書に従って設計図を作り、不具合をチェックして、実際に生産する価値があるかというテストまでシミュレーションを行います。
日々進歩を続けるコンピュータの世界ですが、ハード、ソフト両面から研究者の独創的なアイデアを生かせる余地はそれこそ無限大で、たいへん挑戦しがいがある分野なのです。
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東北文化学園大学 工学部 知能情報システム学科 教授 沈 紅 先生
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