街と人、人と人をつなぐ「プロジェクションマッピング」
街に新しい価値をもたらす映像技術
屋外イベントや有名なテーマパークでも話題になっている「プロジェクションマッピング」は、パソコンで作ったCG映像などをプロジェクターで建物や構造物などに映し出す映像技術です。プロジェクションマッピングは、その街の既存の建物や空間に映像でイメージを付加することで、その街がそもそも持っている意味や伝統・文化、象徴しているものに新しい価値を付加することをめざした技術です。
表現を通してコミュニケーションを生み出す
メディアデザイン分野の研究でも、プロジェクションマッピングに取り組みますが、地域のフィールドワークを行い、その街の魅力を知り、どう伝えるかを掘り下げる作業を丁寧に行います。最初は表現技術やコンテンツづくりに目が向きがちですが、制作の過程で「何を伝えるか」「どのようなコミュニケーションを生み出すか」ということを重視し、街と人をつなぎ、人と人をつなぐきっかけをつくり、街の価値の創出やまちづくりへと展開することが大きな目標であることが共通認識となっていきます。
参加型の技術とその仕組みづくり
技術的な新しい流れとしては、ジェスチャーなどによって操作ができるデバイス、Kinect(キネクト)や、スマホなどを使って参加者がイメージをつくり、会場全体で情報を発信する参加型の技術(インタラクティブ技術)も付加され、最近ではただ鑑賞だけではなく、参加型の一体感が感じられるようなものになってきています。
また、この技術はプロがつくるものという印象がまだ持たれていますが、市民や地域の大学生などが自分たちで制作できる環境構築、いわばプラットフォームづくりも追求しています。プロジェクションマッピングという技術を入り口に、「街の魅力を探り、イメージをつくり、上映し共感する」という一連の取り組みを通して、地域活性化につなげるという、よい循環が生まれる可能性があるのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢工業大学 メディア情報学部 メディア情報学科 ※2025年4月開設 教授 出原 立子 先生
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